『誤解された仏教』 秋月龍珉

用語辞典片手に読む必要があるかも


誤解された仏教 (講談社学術文庫)
秋月 龍珉
講談社
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仏教に霊魂はなく、あの世もなく、輪廻転生もなければ、「三世の因果」もない! 現代の仏教イメージを洗い流す説法
気さくな語り口ながら、専門用語もいろいろ飛び出してくるから、なかなか難解だった。仏教系の高校を出ているのに、記事にできるほど理解しているか怪しい(汗)
本書は現代に流布する葬式仏教のイメージ、あるいは霊感商法に利用されるような霊魂や霊界、輪廻といった概念が、まったく本来の仏教とは関係ない誤解の産物であり、本来の仏教の在り方を現代に問い直すものである
著者は最初、プロテスタントの牧師の伝道を受けながら、禅への道を進んで鈴木大拙西田幾太郎の影響を受け引き継いでいる人物。禅者でありながら浄土系の教えにも理解しめしていて、原理原則に厳しい一方で、相手を全否定せず仏教の枠組みの中でとらえ直す柔らかさが、いかにも仏教らしい

なぜ釈尊が語っていないことが、仏教に入り込んでしまったかというと、古代インドから中国を経て日本へ伝わるまでの間、また日本全国へ浸透するまでの間に、各地の土着の宗教と習合して伝播していったからだ。日本でいえば、古来の神様が仏陀の弟子となる神仏習合がまさにその典型
そのため、「死者をホトケ」と呼んだり、「神も仏もあるものか」という言い回しがあったり、あの世や霊魂の存在が語られたりする
釈尊は小乗の『阿含経』と呼ばれる初期の経典において、「後有を受けず」と言い切っており、死後の世界や霊魂の存在を明確に否定している。輪廻に関しては、バラモン教の世の中に生まれたゆえ当初はそれを信じていたものの、悟りを開いて以後は「無我」説を説明するために「縁起」を持ち出しただけで(「因果の道理」)で、輪廻はおろか「三世の因果」も否定している
現在の仏教において、「天」「人間」「修羅」「餓鬼」「畜生」「地獄」の六道輪廻は、一人の人間の精神状態あるいは人生の在り様として解釈できるという
著者は日蓮を評価しつつも、日蓮宗の「折伏」については修羅道に通じると否定的。「法」のために他を折伏するのは‟降魔の剣”であって、正義の戦いなど仏教にはないのだ

著者は誤った仏教理解を、ビッシビッシと裁いていくのだが、単純な原理主義者ではない。「死者をホトケ」ということも、どんな人間でも死んだら許すという思想自体は、日本人が仏教から学んだ心として評価する
仏教か否かが疑われている密教に関しては、古代インドのウパニシャッドのような、世界との合一を目指す「梵我一如=神秘主義」に対しては仏教ではないと否定する。仏教と古代インド哲学は別物なのに結び付けられやすいので、注意が必要だ
ただし、空海の密教に対しては、本来の仏教の範囲内だとしている
仏教の修養は、自我を離れる「無我」を目指して「本来の自己」に出会うものであって、より大きな存在と一体化するものではないのだ
阿弥陀如来による救済の教えから、キリスト教との類似点の多い浄土真宗には、釈尊が相手によって教え方を変えた「方便」という概念から肯定する。禅者でありながら、著者は禅宗が「自力本願」と称するのに反対で、「自力」と言ってしまっては‟自我”を捨てきれていないことになるとする。禅を悟りに至る直接的な手法としつつも、阿弥陀仏を立てて自我を捨てさせる「方便」もまた、一つの道なのだ
仏教はある種の無神論であるが、神の存在を全否定しているわけではない。人間が人生で味わう苦しみは外部の神や悪魔によるものではなく、自身の行い(「業」)に発するものという思想から来ている。だから、著者は一神教との対話も可能だとし、現代に耐えうる仏教「新大乗」を提唱している
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『進撃の巨人』 第13巻・第14巻 諫山創

今回は急転直下、調査旅団の矛先が現王家へ!!


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第13巻。エレンを奪還する作戦は、エルヴィン団長が片腕を失った他、調査旅団に多大なる犠牲をもたらした。巨人化する人間の存在ラルゴ村の巨人たちの一件から、人を食らう巨人たちが元は人間だったと判明。怜悧なリヴァイ隊長すら、自身が人間を殺しまわっていたことに衝撃を受ける
アルミンの提案でエレンの巨人化を生かして、ウォール・マリアの穴を塞ぐ作戦が立案されるが、そう簡単に壁を埋める硬質の物質が生成されず挫折するのだった
本巻から巨人と対決する調査旅団と、壁内の秩序を守ろうとする憲兵隊の対立が表面化し、リヴァイたちは王政の打倒まで視野にいれるのであった


第14巻。クリスタことヒストリア・レイスを担いでのクーデターに動き出した調査旅団。現王家を支える者たちは、その権益を守るために民衆を切り捨てるほど腐敗しており、隠れている真の王家であるレイス家の女王を誕生させることで体制を一新しようというのだ
エレン、クレスタの輸送を仕切るリープス商会を掌握したが、第一憲兵隊が介入してその会長を暗殺。その罪を調査旅団へと着せる。さらに旅団に対して銃を装備する対人立体機動装備した精鋭を送り込み、それを率いるのはリヴァイ隊長と因縁深い殺人鬼・アッカーマンなのだった
多大な犠牲を出しつつも、クーデター計画は完全な失敗! 旅団の行方も都市の未来も絶望的になるラストで、いよいよ物語も熱くなってきた


今回は両巻とも巨人がエレンの実験でしか現れず、人間対人間の陰鬱な内戦が始まった。憲兵隊がウォール教の秘密をもらしたニック司教を撲殺すれば(なんで拷問係と調査する人間が一緒なのかはさておき)、報復もかねてその憲兵たちをメガネっ子のハンジが爪を剥いでしまうというエグい場面も描かれる
調査旅団全体が完全に一線を越えてしまっていて、少年少女たちは強制的に汚い大人の世界へ踏み込んでしまうのだ
ひとつ気になったのは、リヴァイ隊長がヒストリアに女王への即位を強いる場面だ。ノブレスオブリージュを説くのに、ヤクザ的な脅しで済むわけはない。ただの人形が担ぐだけで、臣民の指示を得て壁の回復に成功できるのか。隊長に汚れ役をさせるにしても、誰かフォローを入れて彼女に自覚を抱かせてほしいところであった


前回 『進撃の巨人』 第11巻・第12巻
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【ぶらり奈良観光】唐招提寺~奈良公園・東大寺二月堂

薬師寺に続いて、唐招提寺へ。薬師寺からは歩いて行ける


<唐招提寺>

唐招提寺

鑑真和上754年に唐から渡来した、南都六宗のひとつである律宗の開祖
聖武天皇の日本では、正式に僧侶へ位を授ける制度が整っておらず、私度僧(勝手に自称する僧侶)が多かったので、それを正すべく来日が求められたという。様々な困難から五回の渡日に失敗し、両目の失明までしてしまうが、ついに成功し日本において登壇授戒の制度を確立させた

唐招提寺 金堂
金堂。盧舎那仏、薬師如来ともに千手観音が祀られる。千手観音は修復の際に、953本の腕が外されたらしく、その様子も写真で展示されていた

唐招提寺 礼堂
礼堂

唐招提寺 宝蔵 経蔵
経蔵と宝蔵。正倉院と同じ校倉造で、日本最古の校倉だという

唐招提寺 御廟の門唐招提寺 御廟の森
御廟そのものはさすがに自重。苔むす森が美しい
この日はかなり冷えていたので、正午近くになっても日陰の池は表面が凍っていた


唐招提寺の次は、近鉄を乗り換えて奈良公園、東大寺


<東大寺二月堂>

奈良公園奈良公園 子供は大人しい

奈良公園では観光客に慣れた鹿たちが戯れる。雌鹿の群れの前で鹿せんべいの帯を解こうとしていると、集団で包囲される事案が発生!
とっさに姉に渡したら、その姉がどやどや小突かれて地面に落としてしまい、そのまま食べられてしまった。むぅ、凶暴な連中だ

東大寺の近くまで

時間も押していたので、東大寺そのものは側を通り過ぎるのみ

東大寺 和輪
和輪

二月堂 鐘楼
二月堂の鐘楼

東大寺 二月堂

二月堂。なぜ二月なのかというと、旧暦の二月に「お水取り(修二会)」が行われるから。「お水取り」とは、若狭井の井戸から観音様に備える「お香水」を組む儀式

二月堂から見た風景

二月堂から見下ろした奈良の光景。向こうに見える山は生駒山だろうか


奈良の史跡は、京都より広々としているように感じた。寺院にしても、建物と建物の間にポンと空間が広がっているのだ
単に観光客の数が違うだけかもしれないが、古代の奈良と京都では設計思想が違うというか。具体的に何が違うかというと、まったく説明できないわけであるが(笑)
また、奈良に行きたくなる日帰り旅行だった


前回 【ぶらり奈良観光】薬師寺

天平の甍 (新潮文庫)
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【ぶらり奈良観光】薬師寺

先々週に家族で奈良のお寺を回っていた
パソコンを買い替えてスマフォの映像をどう移すか、度忘れしていて記事にするのが遅れてしまったのだが、ICloudなんて使わなくても単純にUSB接続させれば良かったのだ。てへっ


<薬師寺>

薬師寺天武天皇のとき(680年)に発願され、持統天皇、文武天皇を経て完成した「法相宗」の大本山飛鳥の藤原京から、平城遷都の際に西ノ京へ移り現在に至る。1998年に世界遺産に登録された名刹である

薬師寺 北門

講堂より手前にある食堂は取り忘れた(汗
食堂はその名とおり、僧侶たちが一堂に会して食事をとっていた場所。今は田畑俊夫の巨大な日本画(壁画?)が掛けられていて、僧侶たちが唐へ船で旅立ちと帰還、古代の農村のうねび、吉野川の幻想的な光景、平城京の俯瞰図に寺院をPCのウィンドウのように浮かべた絵、に中央の巨大な本尊「阿弥陀三尊浄土図が圧巻だった(もちろん、カメラ撮影不可の場所である)

薬師寺 大講堂
大講堂。法相宗の唯識教義を説いた弥勒菩薩に釈迦十大弟子が祀られている

薬師寺 金堂
金堂。薬師三尊像が祀られている

法相宗自体の教義は、阿頼耶識(あらやしき)、末那識(まなしき)という深層心理が人間の精神にあるとし、我々が見ている世界はそれぞれが自分の感覚・認識に基づいて作り上げたものであって、10人の人間がいれば10の世界があるとする。同じ世界に住んでいると思うのは、実は錯覚であるという
そんな現代にも通用する思想が奈良時代に持ちこまれる一方、お願いすれば健康でいられるよ、という現世利益の仏像が置かれているのが、日本の仏教なのである

中門 力士像中門 力士像2
中門の仁王像

薬師寺 西塔
西塔。東塔は改修工事中だった


玄奘塔

本堂の北にあるのが、玄奘三蔵院伽藍。この玄奘塔には、もちろん玄奘三蔵像が祀られている
なぜ三蔵法師が祀られているかというと、法相宗の教義は、法師によって中国に持ち帰り翻訳した経典を究めたことから始まっていて、法相宗の開祖といえる存在だからだ
ここの眼玉は、伽藍北側にある、平山郁夫による大唐西域壁画図。玄奘が旅したであろう光景を実際に画伯が旅し、今も昔も変わらぬ(であろう)シルクロードの光景が描かれている


次回 【ぶらり奈良観光】唐招提寺~奈良公園・東大寺二月堂
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