【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 EP2~EP4

田舎の村に溶け込んでいくエリート


<エピソード2 Zen, or the Skill to Catch a Killer>

街の名士であるホーン家に、ベンジャミンの弟ジョリーがパリから帰ってきた。夜遊びが好きな二人はカナダ国境付近の店『片目のジャック』へ行き、ベンジャミンは馴染みの女主人ブラッキーを差し置いて、若い新人に手を出すのだった。一方、ボビーと‟スネーク”はコカインを求めて受け渡し場所に赴くが、売人であるレオ・ジョンソンに約束の金がないと脅されてしまう。幸い、レオの妻シェリーの浮気相手がボビーであることには気づかれなかったが……

クーパーは昼間に珍妙な推論を披露する。チベットの歴史を説明し、心と体を一体化した演繹法を夢で見出したと言い出す。ローラの日記にある「J」を特定する、その手法とは、名前を口に出してから石を投げ、ビンに当たって割れるかというもの!!
まったく、科学的根拠がない手法(爆)だが、ハリーたちも真剣に付き合い、精神医ジャコビー運転手レオ・ジョンソンをピックアップする。何気に、地名だとして「片目のジャック」として試験から外してしまったのは失敗だろうか
オカルトモードはその夜の夢にも続き、クーパーは25年後に小男とともに死んだはずのローラと出会い暗示を受けるのだった
ちなみに、今年から放送されているサードシーズンの世界は、同じく25年後のツイン・ピークスが舞台となる。当然これは偶然ではなく最新のシリーズでも、25年前に残された伏線が生かされることだろう


<エピソード3 Rest in Pain>

保安官ハリーに「犯人が分かった」と電話をかけたクーパーは、ホーン家の娘オードリーと朝飯を食べる。オードリーの筆跡から一昨日あった「片目のジャック」を示唆する投書を彼女だと看破。彼女は「真実に気付いてほしいから」
彼女の父親のデパートにある香水売り場には、被害者であるローラとロネットの二人が務めていたのだった

ローラの葬式が近づいてきて、FBIから派遣された法医学者アルバート地元の医者ヘイワードが衝突。ツイン・ピークスが溶け込みだしたクーパーは彼の強引な手法を否定する。遺恨の残す展開だが、アルバートはプロとして短時間で分析し、ローラ・パーマーがコカイン常習者と診断。手を後ろ手に縛られていたとする。そして、胃袋の中からは「J」の文字のある何かが出てきた
葬式の現場では、ローラの恋人だったボビイが暴れだし、取り乱したリーランドは娘の棺に乗っかって墓穴で上下する醜態を見せる

ローラにそっくりの従妹マデリーン(シェリル・リーの二役)が登場したり、エドがツイン・ピークスの自警団「ブックハウス・ボーイズ」を率いてコカイン密売業者を追ったりと、今回は一話で見どころが多かった


<エピソード4 The One-Armed Man>

ローラの母セーラも、クーパーと同様に幻視を観ていた。クーパーはジャコビーを尋問しつつも煙に巻かれてしまったが、片腕の男を求めてハリーらと捜索を開始する。ベンとキャサリンが逢引するモーテルで、片腕の男ジェラードを取り押さえるも、彼自体は無実。ただ友人の獣医を見舞いに病院へ行っただけ
それでもクーパーは懲りずに、その獣医が営むライデッカー動物病院を調査。ローラーを襲った九官鳥を突き止めるのだった。その持ち主はコカイン密輸に関わるジャック・ルノー!

その一方で、ダブルRダイナーの二人の女性にも大きな動きが。オーナーのノーマは、収監されていた夫のハンクが釈放が近づき、離婚を切り出せずに悩む
シェリーはボビイから夫のレオと‟ジャック”の関係を聞いて、学校でコカインを売りさばいていると教えられ(ボビイは「おまいう」なのだが)、血染めのジージャンをボビイに託す。ボビイはクーパーらがジャックの部屋に突入する刹那、ジージャンを残して去っていくのだった
こうして捜査の眼が向けられるレオに、なんとベンジャミンが製材所の放火を依頼。しかも、それはハンクからの推薦だという。そして、ハンクはパッカード夫人に自分のトレードマーク‟三の目のダイス”を送り、恫喝するのだった
いやはや、なんという悪のネットワークであろう
直接ローラの事件をつながるものは少なそうだけど、いろんなことが同時進行する、これまた濃い回だった


次回 【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 EP5~EP7
前回 【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 序章・EP1

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『レーガン』 村田晃嗣

レーガンは1911年生まれ。ケネディより六歳上


レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書)
村田 晃嗣
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‟冷戦を終わらせた男”レーガンは、何者だったのか。今なお、アメリカの政治家にリスペクトされ続ける大政治家の実像に迫る
ロナルド・レーガンは、カーターの後、パブッシュの前の第四十代アメリカ大統領である。内政的には「小さな政府」を目指しつつも、冷戦を終わらせるために軍事支出を拡大させ、莫大な財政赤字を作ったタカ派の政治家というのが、一般的な評判だ
しかし、本書のレーガンは様々な姿を見せる。選挙では大見得を切りつつも、実際の政策では妥協していく現実的なプラグマティストであり、応援していた保守派に溜息をつかせることも度々だった
本書は幼少期から、俳優時代、政治家への転身、そして二期八年の大統領、老後までを追う伝記であり、尺の都合で手短にまとめてしまっている部分はあるものの、大きな足跡を残した大統領の全体像を描き切っている

レーガンをひとつの言葉で括るなら、やはりグレートコミュニケーターである
ケネディ、ジョンソンの民主党政権に、ニクソンのウォーターゲートで失墜した共和党・保守派のイメージを回復させるため、レーガンは保守派の人々を結集させる「右派のローズベルト」としての役割を期待された
実際のレーガン政権は「小さな政府」にこだわりつつも、冷戦終焉のために巨額の防衛予算を組む、矛盾した政策をとっていたが、共和党の人心を集めることには成功した
レーガンには1920年代の自由主義を理想としており、人々にも「アメリカの朝」という「大きな物語」を唱え続けた。もはや実現することのない古き良き時代への回帰を訴えることが、逆に人種差別の解消など「小さな物語」の実現に終始するリベラル派にうんざりした大衆の心をつかんだ。著者はこれを政治的タイムマシーンと名付ける

レーガンは外交において、荒唐無稽な「スターウォーズ計画」を推進して冷戦を終結に導いたが、内政で「小さな政府」を目指した「レーガノミクス」は成功したのだろうか
後にこのときの規制緩和がマイクロソフトなどによるIT革命を呼んだともいわれるが、著者はその評価を保留する
大減税は富裕層にしか恩恵が届かず(富裕層の税率45%→28%)、州政府への支出が減った分の州税が増えたために一般庶民にはほぼ関係なかった。雇用に関しても、規制緩和によって増えた雇用はほとんど低賃金労働だった。経済の繁栄の裏腹に、富の偏在は加速した
いわゆる新自由主義の改革の結末がここに示されているといえよう
レーガン後も、共和党を中心に不景気になれば大減税、簡素な税制を唱える模倣者は多い。イラク戦争に向かうブッシュ大統領が「悪の枢軸」を唱えたのも、レーガンの「悪の帝国」発言の引用である
著者はオバマ大統領の誕生で「レーガンの時代」に一区切りついたとするが、トランプ政権の在り様を観ると何番煎じかと言わざる得ない
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【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 序章・EP1

『ツイン・ピークス』は、1990年から1991年にアメリカで放映されたテレビドラマ
湖に捨てられた女子高生の死体というショッキングな出だしから始まり、その解決のために派遣されたFBI捜査官を演じたのが当代の美男カイル・マクラクラン。話が進むごとに謎が謎を呼ぶミステリーが、世界的に話題になった作品なのである
二十云年ぶりにシーズン3が製作され、今年の七月からWOWOWで放送している。もともと、WOWOWが開局したころに放映されて、日本でカルト的人気が生まれたのだ
管理人は契約してないのだが、学生時代から気になっていた作品なので、これを機に視聴することにした。PS3のゲーム『レッドシーズ・プロファイル』の実況動画を観てからは、なおのこと観たかったのだ


<序章 Northwest Passage>

釣りに出た老人によって、湖畔でビニール袋に包まれた女性の死体が発見される。駆けつけた保安官ハリー・S・トルーマン医者兼検視官ウィル・ヘイワードが遺体をひっくり返したところ、‟学園の女王”と評判の女子高生ローラ・パーマーと判明した。ハリーは前夜、ローラといっしょにいたボビー・ブリッグスを容疑者として拘留するも、着任したFBI捜査官デイル・クーパーがシロ認定して釈放するのだった

スペシャル枠だったのだろうか、一話にして1時間30分ほどの尺である
このシリーズは1話=1日として扱うので、普通の映画やドラマとは詰め込み方が違う。街の住人がその時何をしていたか、見せておくために細かく場面を転換していくのだ
正直言って、初見の初回では誰が誰とどういう関係なのかは把握しがたい(苦笑)例えば、第一発見者の老人はビート・マーテルは製材所の現場を仕切るキャサリンの旦那。検死官ウィル・ヘイワードは、ローラの親友ドナの親父さんだとか、意外な人間が意外な人とキャッキャウフフしていたりして、狭い田舎町だけあって、皆なんらかの関係者として関わっている
といって、話の筋が分からなくなるほどではなく、再視聴への誘惑に自然と駆られるのである

凄腕の捜査官クーパーが次々に踏み込んでいくので、一日でかなり整理された気もする(笑)
ローラが残したビデオから、ボビーの他に恋人がいたことに気づき、ローラの鍵付き手帳からコカインと貸金庫の鍵を見つけて金庫からは一万ドルの札束が発見された
そして、同じく貸金庫にあったグラビア雑誌『フレッシュ・ワールド』(『肉体の世界』って直訳するなし)には、事件現場から逃走したロネット・ポラスキー(事件後、錯乱状態)が載っていて、そこにある写真からはボビーと付き合う人妻シェリー旦那レオのトラックが連想されて……


<エピソード1 Traces to Nowhere>

ジェームズ・ハーリードナ・ヘイワードが隠したペンダントが何者かによって掘り返された。ジェームズはクーパーにローラとの仲と、その晩のことを告白する
一方、ボビーが手を出した人妻シェリーは、旦那のレオ・ジョンソンが持って帰ってきた洗濯物のなかに血に染まった青シャツを発見。それを思わず隠してしまうが、不審に思ったレオに暴行されるのであった
ちなみにトラックの運転手レオはジェームズと‟スネーク”のコンビと使って、稼いだ金をローラの貸金庫に入れていたようである
そして、ラストシーンにはローラがかかっていたという精神科医ジャコビーが、診察での録音テープを聞く。あれはお前だったか

今回から45分ほどの尺で、向こうでもCM込みで一時間の枠に収まっているのだろう
様々な登場人物の夫婦や家庭が描かれ、ほとんどが何んらかの問題を抱えている。幸福なのは、ヘイワード医師の家庭ぐらいだろうか
村の産業の中心たる製材所では、保安官ハリー未亡人のパッカード夫人が逢瀬重ねるなか(クーパーは一発で看破!)、創業者の妹キャサリン地元の名士ベンジャミン・ホーン(イタズラ娘オードリー・ホーンの親父)と愛人関係
ガソリンスタンドを経営するエド・ハーリーは、眼帯の嫁・ネイディーンを後目に、食堂のオーナーであるノーマ・ジェニングスとダブル不倫ときた
いやはや、どこもかしこも大変である
しかし、娘の死に気が狂ったローラの母が観た白髪の男はなんだろう? このシリーズ、オカルト要素も多いそうなので気になる


次回 【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 EP2~EP4

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シーズン2はゲオにないので、ボックスを買ってしまおうか。声優さんが豪華やし



このゲーム、ツイン・ピークスの影響をモロ受けです
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『妖怪』 司馬遼太郎

今回の衆院選は応仁の乱?


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室町時代、足利義政の代。凋落する京の都へ、第六代将軍足利義教の落胤を称する熊野源四郎は上った。義政の「奥」では正妻の日野富子と側室の今参りの局が権勢を争っており、源四郎は怪しい術の使い手たちによってその渦中へと巻き込まれてしまう。東国で兵法を学んで幻術に対抗しようとする彼だったが、日野富子に嫡男が誕生したことで将軍の継嗣問題が表面化し、複雑怪奇な政情へ翻弄されていく

珍しい、応仁の乱前夜を舞台にした作品である
熊野源四郎は、母が熊野大社の巫女。参拝者の夜伽をすることもあって、息子に六代将軍・義教の落としだねだと吹き込んだ。義教は守護大名を次々に討伐して幕府の中央集権化に失敗した将軍であるともに、現将軍・義政、その継嗣となる義視の父親で、もし本当なら将軍の異母弟ということになる
もちろん、将軍家には相手にされないものの、関係者に利用価値を見出されて食客になったり刺客となったりする
司馬小説に珍しく、源四郎はそうした思惑に対して、逆らえずに流されていく。文字通りの狂言回しである。あくまで室町時代の一人物にとどまり、小さな英雄にすらなれないのだ

司馬小説の王道は、合理が不合理を破って時代の進歩として示すところにあるが、本作はそこから大きく踏み外している
熊野源四郎は都に巣くう「妖怪(=前時代的な価値観、権力闘争)に対抗すべく、東国で生まれた兵法(剣法)を学ぶ。兵法には肉体を合理的に分析し、何が強いか弱いか、生きるか死ぬかを追究する技術であり、その思想には神仏や物の怪を精神の脆弱さが原因であると否定する側面がある
しかし、源四郎はそうした兵法を身につけたにも関わらず、非合理の象徴である唐天子の幻術に流されて、結局はその謀略に利用されてしまう。なぜか
おそらくは応仁の乱前夜で、腐敗した体制が無政府状態へ陥っていく時代背景が関係している。兵法家、足軽(印地)、一向宗などの新興勢力が勃興しつつも、都の「妖怪」の力はいまだ強く、奇々怪々な政治状況を作ってしまうのである
主人公は唐天子に代表される非合理に飲み込まれて、同じく成り上がろうとした腹太夫ともに没落する。源四郎の物語として失敗しているのは、合理が次の秩序を作り出すのではなく、非合理が混沌を呼ぶ時代を題材にしたからなのだろう
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