『地獄のアングル―プロレスのどん底を味わった男の告白』 永島勝司

専修ぅ~♪


地獄のアングル―プロレスのどん底を味わった男の告白地獄のアングル―プロレスのどん底を味わった男の告白
(2004/12)
永島 勝司

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かつて「平成の仕掛け人」と呼ばれ、長州力とともに立ち上げた伝説のスキャンダル団体“WJ”で地獄を見たゴマシオこと永島勝司による魂の告白!
別冊宝島など様々な媒体で取り上げられたWJへのレクイエムである
全日との対抗戦から武藤の電撃移籍猪木との確執から始まり、WJがまさに心臓の鼓動を止める瞬間までを、著者らしい熱い証言で綴られている
WJはスキャンダルの多さから、いろいろな誤解を受けて揶揄されてきたが、著者はそのひとつひとつに答えていく。あくまでの当事者の証言なので、言えない話題、客観視できていない部分も多いものの、通説として語られているものとは違う真相が見えてくる
しかし、その失敗に関して著者は言い訳しない。その組織の、あまりの拙劣さを、隠すことなく書いていく
アマチュアの組織がいかに崩壊するか、実地で味わった戦訓は語り継がれるべきだろう

WJはなぜ失敗したか
様々な見込み違いはあるものの、著者が強調するのは、フロント、裏方の弱さである
それなりにネームバリューのあるレスラーが揃ったものの、社員はすべてプロレス業界を知らない素人ばかり。著者も興行のアイデアを出すのは得意でも、プロレス団体を管理した経験はなかった
その結果、チケット一枚捌けない営業に、会場の手付金を払えずに開催中止、などまともな団体ならありえないミスを出し続ける。なにせ全員が素人なので、教育できる人間がいない
そうした組織の弱さは、最悪の格闘大会と言われた「X-1で噴出した
総合格闘家ブライアン・ジョンストンの発案で始まったこの大会だが、彼が連れてきた選手は素人に毛の生えた奴ばかり。あまりに酷い体格から、シャツを着てリングに上がるものもいる始末だ
そして、アメリカで発注した金網は、試合途中で壊れる有様で観客の失笑を買った
これらの失敗は著者を含むWJの人間がジョンストンに丸投げして、まともにチェックしていなかったため
かのWMGヘビーのチャンピオンベルトが間に合わない件にも同様の甘さがあった
いかなる組織には当たり前のことを当たり前にチェックし、是正できる人間が必要なのだ。まっとうな管理職が一人いれば、大きなミスも防げたことだろう

プロレスでの失敗としては、「ど真ん中プロレス」を突き進みすぎて、ドラマがまったくなかったことを挙げる
著者も新日本時代のようにアングルを作れず、長州に遠慮しすぎたことを反省していた
しかし長州の意気にほれ込み過ぎた部分もあって、開幕シリーズから天龍との六連戦に賛成したことは意外。開幕戦はメインにしてたった8分の決着で、果たして客が満足できただろうか
そして、長州、天龍との怪我がちでそれを完遂できなかったとあれば、見込み違いも甚だしいだろう
その他、いろいろ明らかになった件もある
福田社長がWJに出資する際、長州と永島に“貸す”という形を取ったのは、社長や会社の金でなく、友人から出資を募ったものだからだ
また、落合選手の死亡事件は、直接WJは関与しておらず、徹夜のバイト、総合格闘技でのダメージの蓄積によるものではと明かされる。訴訟になっていないし、大なる誤解だ
しかし資金面であれだけ恵まれているはずのWJはなぜ潰れたか、には疑問が残る。いくらなんでも五億が一年で溶けるのはおかしすぎる。本書でその経理の部分は裁判になるため、詳しく書かれていないが、裏社会に食い物にされたと想像したくなった




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