『ヒストリエ』 第2巻・第3巻 岩明均

波乱万丈すぎです


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岩明 均

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アレクサンダー大王の書記官を務めたカルディアのエウメネスを主人公に、古代ギリシャ・オリエントを描く有名作品
エウメネスの半生は謎に包まれているから、少年時代は完全な創作で、第3巻まで読んだところでは、まだ手探りでギリシャ世界をなぞっている段階

第2巻では、スキタイ人の奴隷が暴れた事件が思わぬ方向に進み、エウメネスは市民から奴隷へと転落する
スキタイ人のトラビスは一騎当千の暴れ振りで、数十人のギリシャ人を次々と倒していく。生身の人間を斬りまくっても刃こぼれしないとか、リアルよりファンタジーに傾いた描写が目立つ
エウメネスが夢の女戦士を思い描いて、拳闘で圧勝するなど、他にも飛躍した表現があって、現実主義で老成した主人公の性格とのギャップが不思議な雰囲気を生んでいる
あまりに意表を突きすぎる展開なので、まだ作品世界が固まっておらず試行錯誤がうかがえる

第3巻では、父の不慮の死でスキタイ人の子どもだと発覚したエウメネスは、奴隷して新しい主人に売られてしまう。しかし、売られた主人の船が奴隷の反乱にあって、遭難し黒海沿岸のボアの村人に拾われる
いったん市民に引き上げられたエウメネスが、保護者の死とともに奴隷に転落するのは当時の社会制度としてどうなのだろう
市民が奴隷になるケースはほとんどが債務事由であり、あるいは罪を犯しての労役。奴隷のほとんどは外国の戦争捕虜か人身売買で生まれるので、市民として学校に通っていたエウメネスが奴隷に落ちるのは、今ひとつ腑に落ちない
また、奴隷の反乱も事情が飲み込めない
「男はエウメネスしかいない」ということから主人が奴隷を宦官にしていたような気もするが、どれくらいの暴虐があったか示されない
ギリシャ社会は奴隷いて当たり前なので、屈辱的な身分ともいえず、反乱を起こした奴隷たちが何か成算なり、暴発する動機なりが欲しいところだ

世界がもやもやしているのは、年端のいかない少年視点であることを考慮しても、まだ地盤が固まっていないからだろう
ボアの村に入るまでに、それ以前の関係がリセットされたので、ここからゼロベースで読むとしよう
貴重なヘレニズム時代を描いた作品だし、そのうちエンジンがかかると信じて追いかけたい


前巻 『ヒストリエ』 第1巻
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