『騎手の一分 競馬界の真実』 藤田伸二

講談社現代新書も最近の新書らしくなっちゃったなあ

騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)
(2013/05/17)
藤田 伸二

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競馬界の終わりの「始まり」!? エージェント制、外国人騎手の活躍、高速馬場、クラブ馬主の席巻などなど競馬界を取り巻く問題に男・藤田が物申す!
講談社の新書だけあって、いわゆる内輪の暴露話ではなかった
騎手生活を締めくくる覚悟での、競馬界への提言なのである
現役騎手だけあって全て騎手側の視点で斬っていく。クラブ馬主の寡占状態&エージェント制が若手騎手の出番を無くし、騎手の人数がピークの半分に落ち込んでいることを指摘。この事態は騎手という職業の魅力を奪ってしまい、競馬学校の応募者数がピークの二割にまで下がってしまった
競馬界は底辺から崩れ去ろうとしているのだ。誰が悪いのか。エージェントでもクラブ馬主でも外国人騎手でもない
そういう環境を作るJRAが「諸悪の根源」と言い切っている。いいのか、そこまで言って(苦笑)

現役騎手の視点から、同僚に対する忌憚のない評価が聞けるのも本書の魅力
先輩の武豊騎手に対しては、ミスが少ない「無難な騎乗」と評する。どんな馬の騎乗でも文句を言われることない乗り方をする
俗に「天才」の一言で済まされるユタカだが、実際にはリスクを犯さない優等生、秀才型なのだ。ただし、普通の騎手の「無難」ではなく、広い視野に立った一流の「無難」なのであって、だからこそ数字を残し多くの期待に応えてこられたわけだが
大先輩の岡部騎手は「鞭の名手」で、横山典弘騎手はスマートな姿勢で「人馬一体と褒め称える
ただし、岩田騎手に対しては、仕掛けのタイミングなどレース巧者であることは認めるけど、尻もちダンスは「かっこ悪い」「馬の背中を痛める」と否定的だ。尻もちには賛否両論があるが、競馬界で言われるスマートな乗り方ではないようだ
リーディングをとった福永騎手には、体が固いせいか馬と体に無駄な開きがあることを指摘。数字が上がるのは、強い馬に乗せてもらっているからだよ、とチクリ

こう騎手のことを語りながら、「騎手ではなく馬が走る」「一人で勝ってるわけじゃない」ことも忘れない
崇拝する田原成貴も同期の四位騎手も、才能を誇示するゆえに関係者と衝突し干された。一種の「人付き合いの良さ」も大事だし、「関係者の努力に感謝の念を表す」ことが次の騎乗依頼につながるのだ
こうしたつながりは、厩舎の協力で若手がトップジョッキーに育つことで生まれるのだが、今はエージェントが直接、馬主とつながって勝負レースは外国人騎手に任されてしまう
2012年のジャパンカップでは17頭のうち外国馬が5頭しかいないのに、日本馬12頭のうち5頭が外国人騎手という歪な状況になってしまったという
外国人騎手に馬が集まるのは、腕がいいだけでなく、日本人ならでは舶来品信仰がある。この状況を放置して、ライトなファンが競馬に関心を持ち続けられるのか
JRAの決断が待たれる


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(2011/01/12)
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