【DVD】『人間の條件 第5部 死の脱出』

まさに地獄絵図

人間の條件 第5部 死の脱出 [DVD]人間の條件 第5部 死の脱出 [DVD]
(2009/07/29)
仲代達矢、新珠三千代 他

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国境の戦いで梶(=仲代達矢)の隊は、弘中伍長(=諸角啓二郎)寺田二等兵(=川津祐介)との三人を除き全滅した。三人は歩き続け、やがて避難民たちと合流する。深い森を抜けて南満州に向かうが、食糧事情から行軍は過酷を極めた。子どもは死に、親は無理心中、慰安婦の竜子(=岸田今日子)以外の民間人は脱落してしまう。友軍を発見し弾かれてしまうものの、陸軍病院で一緒だった丹下一等兵(=内藤武敏)が乾パンつきで合流し、一時の飢えを凌ぐだった

敗れた者たちに悲惨な運命が待っていた
「鬼になって生きる決意」をした梶だが、冒頭でソ連兵を刺殺したことにはショックを隠せず、引きずりながら避難者を指揮していく
密林のなかの行軍では、食料をコントロールして統率するが、体質の弱い子どもから死んでしまい、その母親は発狂してしまう。結局は多くの避難民が飢えと疲労で死んでしまい、梶の努力はまったく報われなかった
鬼の形相で自分そして周囲のサバイバルに励む梶に対し、それをフォローするように理想を語るのが丹下一等兵。感情的になる梶に代わって、マルキストの視点から客観的に物事を整理していく
しかし、事態はその丹下の想像を越える形で進展していくのだった

ソ連の参戦は8月9日。前作の戦闘から何日経ったか分からないが、すでに南満州の農村では抗日の民兵組織ができていて、日本人の敗残兵、避難民狩りを始める
作中でも民兵との戦闘が何度か描かれ、梶たちは包囲網を必死で潜り抜けていく。梶たちも食料がなくては生きていけず、略奪者にならざる得なかった
社会主義にシンパシーを持つ梶も、降伏を勧告しない民兵たちのやり方には憤りを感じ、竜子が殺された際には「次からは逃げる前にあいつらを殺してやる」と激昂するほど。非正規軍を交えた戦いに国際法は通用しない
そうした梶をマルキストの丹下は「君の代わりに満人の墓を掘る」と宥めるのだが、ソ連軍のトラックから強姦された日本人女性が投げ出されるに及んでは絶句した
丹下と梶は「あくまで赤軍の一部がやったこと」「労働者の軍隊に恥を塗る行為だが、反省して修正されるはず」と自分に苦しく言い聞かせるが、次作で現実を目の当たりにするようだ
そして最後には、同じ逃亡者である日本兵に、「○助にやられるぐらいなら」と避難民の少女(=中村玉緒)が強姦される事案が発生してしまう
本作では無政府状態の、言語に絶する光景が容赦なく描かれる


次作 【DVD】『人間の條件 第六部 曠野の彷徨』
前作 【DVD】『人間の條件 第四部 戦雲編』

人間の條件〈下〉 (岩波現代文庫)人間の條件〈下〉 (岩波現代文庫)
(2005/03/16)
五味川 純平

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