【DVD】『人間の條件 第4部 戦雲篇』

戦雲も何も、もう実戦です

人間の條件 第4部 戦雲篇 [DVD]人間の條件 第4部 戦雲篇 [DVD]
(2009/07/29)
仲代達矢、佐田啓二 他

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陸軍病院を退院した梶(=仲代達矢)は、ソ連国境に近い青雲台の基地に配属された。そこに赴任したのが、かつて満鉄の同僚だった影山(=佐田啓二)で、彼は少尉に昇進していた。梶は年代がばらばらの新兵を影山から預かることになり、代わりに悪名高い内務班から切り離すことを約束させた。しかしその行為は古参兵からは反抗と映り、梶は新兵たちと共に苛酷なしごきを受けることに……

入隊して一年経った梶は、親友である影山の抜擢で上等兵となる。彼は影山の助手となり、新兵を束ねる役目を負うことになった
自らの人道主義を少しでも実現しようと、班内のビンタ禁止、軍隊言葉を強制しない、など融和を図っていく。しかし隊の外に出ると、軍隊の常識にさらされ、新兵たちは数々のしごきを受けなければいけないし、梶自身もある程度は軍隊的な落とし前を新兵に要求せざるえない
前半は少し立場が良くなっても上下から突き上げられる管理職の苦しみが描かれる
後半はソ連が参戦し、梶の隊も戦争の渦中に投げ出される。いったん戦争になれば、しごく側もしごかれた側も関係なしに銃弾が降り、古参新兵分け隔てなく悲鳴を上げ恐慌状態となる
もはや人間の生存そのものが脅かされ、叩き込まれた軍隊文化などなんの役にも立たなかった
軍隊の陰湿な悪も、人間そのものを蒸発させるような戦争に焼かれてしまうのだ

梶の変化が著しい
満鉄時代は社会主義にシンパシーを持つ進歩派のインテリだった彼は、鉱山で植民地経営の実情を知り、軍隊では理不尽で強固な上下関係にさらされた
もはや理想主義をそのまま爆発させることはやめ、下の者に主義を通す反面、上は上で顔を立てる知恵も身につけた。新兵からは「まるで二重人格だ」と突きつけられてしまった
戦争という環境に覆われてしまった以上、そこから脱出することはできず、主義を秘めながら環境に適応せざる得ない。戦争の物語に乗れないなら、この屈折は避けられない
そして、対ソ戦の戦場においては、さらに酷い業を背負うことになる
かつて考えていた“人間の條件”を大きく逸脱してしまった梶は、鬼になっても生き抜いてやると決意し、荒野に戦場を生存者を探すのだった
戦中・焼け跡世代の精神史を観たような気がする


次作 【DVD】『人間の條件 第5部 死の脱出』
前作 【DVD】『人間の條件 第3部 望郷編』

人間の條件〈中〉 (岩波現代文庫)人間の條件〈中〉 (岩波現代文庫)
(2005/02/16)
五味川 純平

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