『天の血脈』 第3巻 安彦良和

あとがきに故・森浩一教授に言及。この人の著作も押さえないとなあ

天の血脈(3) (アフタヌーンKC)天の血脈(3) (アフタヌーンKC)
(2013/11/22)
安彦 良和

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満州から返った安積亮は、大陸の体験に圧倒され、故郷の信州で寝込んでいた。実家の神社では日露戦争の戦勝祈願で盛り上がる一方、非戦論を訴える内村鑑三が演説会を開き、その傍らには後に日本を代表するアナーキストとなる大杉栄がいた。安積は幼馴染の森谷翠と結婚し、東京へ戻るが……

疾風怒涛の前巻からすると、舞台が日本に限られ大人しい。次巻で日露戦争下の調査旅行となるので、そのタメの巻なのだ
その割りに、急に幼馴染と祝言を挙げるとか、先生に神がかりの能力を認められるとか、間違えて軍隊の車両に乗り込むとか、主人公自身は大忙し。有名人を出したい、絡ませたいという作者の意図が露骨で苦笑いしてしまった
それでも内村鑑三大杉栄を始め、クリームパンを発明した中村屋と相馬黒光とか、さらりと使ってくる博識は、さすがである
特に大杉栄は意味ありげの登場で、いかにも今後絡んできそうだ。もっとも、意味ありげに登場し、あっけなく退場というケースも安彦漫画じゃ、よくあるけれど(苦笑)

個人的なみどころは、内田良平と嬉田教授のやり取り
内田は嬉田に「応神天皇の父親が好太王と照明されるのが望ましい」とまで言う。皇室が高句麗が支配した満州に縁があったほうが満蒙進出に都合がいいからである
嬉田はそれを拒否しつつも、大陸進出の機運が高まる中、帝大教授を目指して政治を意識せざるえなくなる
実際、大陸で調査を続けるには、内田や軍の協力が不可欠だという実情があった
戦前の古代史研究が、皇国史観のみならず、ときの政情にいかに巻き込まれ、真実が埋もれていったかも、本作の大きなテーマだ


次回 『天の血脈』 第4巻
前回 『天の血脈』 第2巻

敗者の古代史敗者の古代史
(2013/06/22)
森 浩一

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