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『ローマ人の物語 21 危機と克服(上)』 塩野七生

このシリーズはだいぶ読み進んだのだけど、感想書くのが遅れちゃうなあ




1.軍人皇帝の乱立

ガリア軍団の蜂起により、皇帝ネロは自死に追い込まれた。その後ローマは、決め手となるリーダーが現われず、1年に3人も皇帝が変わる異常事態に陥る
タキトゥス曰わく、ローマが滅ぶかもしれない最悪の一年
まず、ガリア軍団に推挙されたガルバが皇帝となるが、すぐに軍や市民の反発を買い。再びガリア軍団の蜂起を招く。ガルバは近衛軍団に暗殺され、行政官上がりのオットーが皇帝に
が、すでに反ガルバで立ち上がったガリア軍団も司令官ヴィテリウスを擁立してしまったために、帝国は100年ぶりの内戦に突入する
決戦に敗れたオットーは自殺ヴィテリウスが次の皇帝となる
もう、日本の応仁の乱のような、凄まじい状況だ。指導者がコロコロ変わって、行き当たりばったりになっているのは、むしろ今の日本政治に近いか。読んでいて洒落にならないと萎えた・・・

*日本の首相交代は、中継ぎピッチャーの交代みたいなもので、プラス要素が多いかもだが(苦笑)


2.ヴェスバニアヌスとムキアヌス

この3人の指導者は、ローマ出身でかつ名門の出(パトリキ)だった。が、次の皇帝候補として立つヴェスパニアヌスは叩き上げの兵隊上がりで、平民出身かつイタリアながら地方都市に生まれた人間
本来、選ばれるはずのない人間だが、上位の将軍であるムキアヌスを初め多くの人間が彼を推挙した。何故か?作者は健全な常識人だからと煙に巻く(?)が、本当に謎
ただ、パトリキの代表でなくて、軍の代表を皇帝にしようという意識が軍団兵たちのなかで芽生えていたの事実なのだろう。そして軍団兵たちはローマ市民でもあるのだから、皇帝を選ぶ権利は法的にもある
ヴェスパニアヌスのパートナー、ムキアヌスは偉い人で、自分が上位であるにも関わらず皇帝になろうとしないし、ヴェスパニアヌスが中東を固めている間に、自らがケガレ役を背負うようにローマに向かって進軍し、同じローマ軍団と戦う。何故にここまで献身的に支えたのだろうか
内戦はローマで市街戦が展開されるほど熾烈だった。ヴェスパニアヌスがローマに入るまでの間、ムキアヌスが事実上の皇帝として混乱の後始末を行うのであった

*23’3/31 加筆修正


次巻 『ローマ人の物語 22 危機と克服(中)』
前巻 『ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち(四)』




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