![]() | 機動戦士ガンダムUC (6) 重力の井戸の底で (角川コミックス・エース) (2008/10/25) 矢立 肇福井 晴敏 商品詳細を見る |
バナージ-ジンネマン関係のドラマはいい。知り合った人間を殺してしまったことに茫然とするバナージを、いろんな意図を含みつつも建て直そうとするジンネマン。バディものを得意とする作者の面目躍如だ
これまでいろいろ経験しておいて、バナージが案外タフになっていないのは不自然な気もしなくもない
が、それはバナージを完全な“戦士”にさせたくないという作者の意図を感じる。なるべくニュートラルの位置で動かしたいというか。で、それを可能にする強力なスパロボを持たせる
ここらあたりが、なんらかの立場に引きずり込まれてサバイブさせられる富野ガンダムとの大きな違いだろう。ユニコーンは、非富野ガンダム作品に性質は近いと思う(あるいはZZ!?)
おそらく構成は、月刊誌連載のまま。マリーダがニュータイプ研究所で強化される部分が、やけに分けて書かれている。単行本で通して読んでみると、ちょっと違和感がある。最後の場面に時系列を合わせるにしてもまとめて書いてくれる方が良かった
さて問題なのは、シャンブロによるダカール・テロ!
これでラプラス事件は宇宙世紀史上に残る大事件となることが確定した。連邦の首都で大虐殺なんて、もう0083を越え、逆シャアに匹敵する“消せない事件”だ。ユニコーンが先々どういう位置を占めるか分からないのに、良くサンライズが許可したものである
事件の顛末もどうにも良くない。明らかに9.11を意識したテロなのだが、その首謀者マハディが軽いのである。どうにもステロタイプなテロリスト像なのだ
実際のビン・ラディンらテロを指導する者たちは、自身洞窟を転々とし十年単位戦い続ける。9.11は稀に見る大惨事だったが、テロリストたち自身は持久戦志向である
かなり先を見据えた戦いを仕掛けるはずで、マハディのように発作的に全てを賭けちゃうのは日本人的すぎる。自爆テロを仕掛けるのは下っ端の鉄砲玉だしね(一巻のテロはちゃんとそうだった)
国際問題を扱うには認識が不足しているとしか言えない。小説が時代を超えるものと考えるなら、余り時事ネタに縛られず、宇宙世紀に徹して欲しかった。富野ガンダムは元々そうなんだから・・・
とはいえ、テロの被害の描写は見事すぎる。お得意の爆発シーンは凄いし、人がいろいろな死に方をするところをまざまざと見せつけるように描く。作者なりには覚悟して書いたのだろうなあ
あと、大事なところはロンド・ベルを率いるあのひとが出て来たことかな。鈴置ヴォイスを想像して読むと、雰囲気が出まくり
次巻 『機動戦士ガンダムUC 7 黒いユニコーン』
前巻 『機動戦士ガンダムUC 5 ラプラスの亡霊』
今回は作者の得意とする部分と不得意な部分が如実に出てしまった
バナージ-ジンネマン関係は突出していいのに、ロニさん絡みの部分はどうにも。ちょっとはバナージと絡んでもいいと思ったのだが。彼女の最期もお芝居じみている
ミネバとリディのところもあっけなく、淡泊に切れてしまうのは勿体ない。身がよじれるような三角関係とかには行かないのかねぇ
それにしてもまさかマハディがテロやるとは思わなかったな。せいぜい海側に惹きつけておいて、ユニコーンの陽動をやるぐらいと思っていたがなあ・・・はあ(ため息)
一応、黒の三連星のパロがあったが、これぐらいが可愛い。次からも控えめで行って下さい
シャンブロは時代考証ぎりぎりの超兵器だ。そもそもリフレクタービットが重力化で飛ぶかは微妙だろうし、ミノフスキークラフトで地上で浮揚できるモビルアーマーっていうのも。ミノフスキークラフトに関してはペガサス級戦艦にも搭載されていたという話(作者の突っ込み?)も作中に載っていて、笑ってしまったが
この作品で宇宙世紀の技術革新は急速に進むかもしれない(笑)
それにしてもバナージは察しの悪い主人公だ。テロを巡ってジンネマンと殴り合うのだけど、殴り合っている間に下で人が死ぬ。ガンダムの伝統(?)として、ここは勝手にユニコーンを発進させちゃうところだろうと。ちょっとニュータイプ、いや強化人間らしくない。常識的に手順を踏んじゃうタイプなんだな
それに、そもそもカーディアス・ビストは、なんでユニコーンをダカールに来させるように設定したのか。どう考えても市街戦の危険があり非人道的であろう。ようはシナリオ的な都合剥き出しなのだ・・・
今回はなんとも筋が良くない。もともとダカール編は書かれる予定がなくて、(おそらく編集サイドの希望で)後から付け加えられたものだそうな
ちょっと本巻のエピソードは自分的にはなかったことにしようか・・・
*12/26 少し加筆・訂正
バナージ-ジンネマン関係は突出していいのに、ロニさん絡みの部分はどうにも。ちょっとはバナージと絡んでもいいと思ったのだが。彼女の最期もお芝居じみている
ミネバとリディのところもあっけなく、淡泊に切れてしまうのは勿体ない。身がよじれるような三角関係とかには行かないのかねぇ
それにしてもまさかマハディがテロやるとは思わなかったな。せいぜい海側に惹きつけておいて、ユニコーンの陽動をやるぐらいと思っていたがなあ・・・はあ(ため息)
一応、黒の三連星のパロがあったが、これぐらいが可愛い。次からも控えめで行って下さい
シャンブロは時代考証ぎりぎりの超兵器だ。そもそもリフレクタービットが重力化で飛ぶかは微妙だろうし、ミノフスキークラフトで地上で浮揚できるモビルアーマーっていうのも。ミノフスキークラフトに関してはペガサス級戦艦にも搭載されていたという話(作者の突っ込み?)も作中に載っていて、笑ってしまったが
この作品で宇宙世紀の技術革新は急速に進むかもしれない(笑)
それにしてもバナージは察しの悪い主人公だ。テロを巡ってジンネマンと殴り合うのだけど、殴り合っている間に下で人が死ぬ。ガンダムの伝統(?)として、ここは勝手にユニコーンを発進させちゃうところだろうと。ちょっとニュータイプ、いや強化人間らしくない。常識的に手順を踏んじゃうタイプなんだな
それに、そもそもカーディアス・ビストは、なんでユニコーンをダカールに来させるように設定したのか。どう考えても市街戦の危険があり非人道的であろう。ようはシナリオ的な都合剥き出しなのだ・・・
今回はなんとも筋が良くない。もともとダカール編は書かれる予定がなくて、(おそらく編集サイドの希望で)後から付け加えられたものだそうな
ちょっと本巻のエピソードは自分的にはなかったことにしようか・・・
*12/26 少し加筆・訂正