『峠』  中巻 司馬遼太郎

ついに家老となるが

峠 (中巻) (新潮文庫)峠 (中巻) (新潮文庫)
(2003/10)
司馬 遼太郎

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修行の旅から戻った継之助は、藩の重職につき藩政改革に努める。他藩に見られない遊郭の廃止にも着手し、賭博を根絶するため自らヤクザとも掛け合った。しかし、時代の風雲は彼の予想を上回るスピードで進み、長州征伐、大政奉還、そして鳥羽伏見の戦いに始まる戊辰戦争に巻き込まれる。継之助は持論である一藩による自立を目指すが…

上巻が修業時代なら、中巻は藩政改革がテーマだ
継之助は長岡藩七万石が主体的な立ち回りができるように富国強兵に勤しむ
小藩であり時代の緊迫からゆるゆる産業を立ち上げる暇はない。新式銃を買い揃えるための資金を捻出するため、取れるところが取っていく
作中に強調されるのは、遊郭や賭博といったアンダーワールド、地下経済を封じるところで、裏の蛇口を締めることで表経済のパイを増やし、税収増を狙っている
その藩政の在り方は、あたかも明治国家のミニチュアのようだ
こうした改革が可能だったのも、小藩でありかつ“常在戦場”の伝統があったればこそだろう

福地源一郎(桜痴)に続いて、継之助と対を成す人物が登場する。福沢諭吉である
福沢は堂々と開国を語る開明派で、認識そのものは継之助も変わらない
ただ継之助は長岡藩の存続を目的に考える人間で、福沢は形式的には幕臣だが「語学と扶持を取引している」だけという当時としては突き抜けた近代人
福沢は公儀政体、いわゆる諸侯会議の構想を近代を吸収しえない封建制と否定し、共和制がダメなら立憲制しかないと喝破する
それに対して継之助は長岡藩家老の立場から、封建制にこだわらずにいられない
組織に対する義理を切り離せないのが、テクノラートの宿命だろうか


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