『オウム帝国の正体』 一橋文哉

どこまでが事実でどこからが想像か

オウム帝国の正体 (新潮文庫)オウム帝国の正体 (新潮文庫)
(2002/10)
一橋 文哉

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未解決のオウム事件の裏には何があるのか。謎のジャーナリストが真相に挑む!
ネットではサブカルとの関連から語られがちなオウム教団を、本書は闇に流れる資金、組織、人間関係から犯罪組織として解剖していく。雑誌週刊誌に近いオーソドックスな視点をとる
ロシアンマフィアとロシア政府関係者、政治家に暴力団、北朝鮮と教団の周囲にはさまざまな組織との関係が指摘し、衝撃の真相にたどり着くが、問題はこれが事実かどうか(苦笑)
解説が指摘するように、肝心なところで公安関係者の証言が多く、ジャーナリストとしての「私」が登場するところはB級ミステリー小説である
一橋文哉の正体元毎日新聞記者・サンデー毎日副編集長の広野伊佐美で、毎日新聞本社のある「一ツ橋」の「ブン屋」に引っ掛けたといい、複数の記者によって執筆されているともいう
内容のわりに世間にまったく影響を与えていないところから、紙面に載せられないほどタブーであるいは不明確な情報をかき集め、事件の空白を想像した推理小説と考えるべきだろう

小説と書いたものの、推論としては妥当な線を行っている
ロシアで活動したいなら当地の政府関係者に心づけが必要だし、武器の購入や商業活動をするにはマフィアに挨拶しなきゃいけない。そのマフィアと接触するには、日本の暴力団の力を借りるほうが無難だ
本書の主人公は、ブローカーとしての暴力団といえるだろう
オウム教団が認可された頃、「宗教法人」「信教の自由」を盾に免税などの大きな特権があり、警察、マスコミにとってもタブーな存在だった
宗教法人の法人格は誰にとっても金のなる木であり、その取得には政治家、暴力団がブローカーとして関わった。宗教法人は政治家にとって票田と資金源となり、政治家のなかには複数の新興宗教の信徒になるものもいたという
暴力団は宗教法人の問題を解決する助っ人として暗躍し、それを種に法人の豊富な資金を食い物にしていた
本書では坂本弁護士一家殺害事件に関して、暴力団の指導があったとされ、容疑者が主張したリアリティのない証言(襲撃予定日に弁護士一家は旅行するはずだった、なぜか深夜に家の鍵が開いていた、等々)は暴力団の報復を恐れてものだとする
土地を買収するにも地上げしてもらう必要があり、洗脳のための覚醒剤の入手にも暴力団との関係が必要だった
こうした一件からオウム教団はヤクザの鴨になってしまい、その関係に悩んだ麻原が自爆的なハルマゲドンを起こした・・・最後の結論はともかくも、かなり真実に近づいているように思える

北朝鮮との関係はかなり錯綜している
オウムの対外的な責任者だった早川紀代秀は、北朝鮮に訪問していたことは報道されたが、その目的に関してはつまびらかにされていない
本書では、早川が手を染めていた兵器ビジネスから、ロシアで仕入れて、北朝鮮に卸していたというのみならず、教団が作ったサリンプラントに関して、北朝鮮が設計技術が提供された可能性を示唆する
北朝鮮からするとオウム教団を手なづければ、有事の際に米軍の拠点である日本を撹乱するゲリラになりうるのだ
(オウム教団の荒唐無稽なクーデター計画には、なぜか臨時政府の首班として北朝鮮とのつながりを持つ政治家たちの名前が並んでいた!?)
それに関連して取り上げられるのが統一教会で、1991年に文鮮明が訪朝してから国営ホテルを任されるなど急速に接近し、一時期オウムとも接触していたという
その後、信者の取り合いから敵対関係に入ったといい、本当のところは藪の中だが、海外ですれ違うような場所にいたのは事実のようだ
またオウムの大幹部、村井秀夫を刺した徐裕行は、犯行まで住んでいた家の所有者が中田清秀(元暴力団組長にして教団の武闘派)の出入りしていたクラブの女性経営者だった。そして、その女性の姉は北朝鮮のスパイ辛光洙と同居していたという!
拉致問題が顕在化しておらず、1990年には金丸訪朝団があって北朝鮮の開発が莫大な利権として考えられた時代である。国際問題への発展を防ぐために、警察の捜査が寸止めされたと十分考えられる
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