【DVD】『県警対組織暴力』

川谷拓三の伝説のリンチシーンは必見

県警対組織暴力 [DVD]県警対組織暴力 [DVD]
(2009/06/01)
菅原文太、梅宮辰夫 他

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捜査二課の部長刑事・久能徳松(=菅原文太)は、ヤクザと付き合いながら飴と鞭で辣腕を振るってきた。久能には相手の組長を殺した広谷賢次(=松方弘樹)を庇った過去があり、その広谷はいまや服役中の組長に代わり組織を背負う立場にあった。その一方で、かつて広谷と対立した友安政市(=金子信雄)が市会議員となっており、その後押しを受けた川手勝美(=成田三樹夫)の組が急成長し、広谷を脅かす存在となってきた。久能は広谷に肩入れし、川手を潰すことで治安を守ろうとするが、そこに県警の横槍が入る

タイトルから警察とヤクザの攻防と思いきや、少し違う
「組織暴力」とはヤクザとそれに癒着した警察を指し、県警を代表する新しい秩序と古い秩序の争いを示しているのだ
舞台は架空の都市、倉島市としながらも、見てのとおり倉敷と広島を足して二で割ったネーミングである(苦笑)
『仁義なき戦い』の取材中に得たネタをヒントにしたらしく、瀬戸内海沿岸のコンビナート建設を巡るヤクザ、市政、警察のトライアングルが背景にあるようだ
『仁義なき戦い』のヒットを受けて、東映は実録物を量産しだしたが、この映画はそうした後継の代表作で、俳優、制作スタッフもほぼ仁義メンバーで固められている
菅原文太はデカをやらせてもカックいい!

1975年の映画ながら、ヤクザといかに対するかという、現在まで続く治安警察の葛藤がすでに主題となっている
日本では、伝統的に取り締まる側と取り締まわれる側は近い立場にあった
江戸時代では治安維持は武士の職分ではないとされ、足軽身分の同心(庶民でも株が買える)とヤクザそのものである目明し等が担当していた
昭和の日本でも映画で触れられているように、就職しそこなった者が片方は警官になり、ヤクザになりと人材の出所は同じだった
そのため自然と交流が続き、事件が起これば暴対の刑事が地元の組長と相談して容疑者を引き合わす、といった阿吽の呼吸が存在した

しかし社会が豊かになるにつれ、県警の海田(=梅宮辰夫)のようなエリートが出現するなど、人材の質が変わってきた
海田はブローカーとしてのヤクザを排除し、直接の便宜を図ることで天下り先を見つける。警察が直接管理することで利権化する手法はパチンコ業界とも共通するものだ
果たしてどちらが正しいのか
映画ではより親しみやすい悪として、久能の肩を持つ。同じ闇米を食って焼け跡で育った人間が、一方的に裁くことを久能は許せない。誰がヤクザに堕ちた人間に声をかけるというのか
もちろん古い手法が時代に波で消えていくのは分かっているからこその異議申し立てである

1992年に暴対法が成立し、ヤクザと警察の距離は離れていく
薬物汚染と海外マフィアの進出で暴力団の性質も大きく変わってきたし、進化する組織犯罪に対する処置として暴対法にも止むを得ない部分がある
そしてその結果、半グレ集団などの暴力団指定できない組織が幅を利かし、警察も手を焼いている。今になって警察関係者にも古い秩序への回帰が語られるようになっているが、過去に戻ることはできない
本作は昭和の男女、息苦しいほどの濃い人間関係が描かれ、演出的にも深作-笠原のラインがキレキレである。日本にも堂々とバイオレンスを扱う映画あったのである
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