『サラブレッドはゴール板を知っているのか』 楠瀬良

走る馬はほんとうにアホ?

サラブレッドはゴール板を知っているかサラブレッドはゴール板を知っているか
(1998/10)
楠瀬 良

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サラブレッドは競馬を理解しているのか。馬の研究者による14人へのインタビュー
本書はJRAの雑誌『優駿』で連載された対談をまとめたもので、藤沢和雄など厩舎、牧場関係者に始まり、武豊、岡部幸雄、マイケル・ロバーツといったジョッキー、獣医、装蹄師、そして馬術家やなぜかアスリート、果てはムツゴロウこと畑正憲まで、多彩すぎる面子で送る
テーマを生物としての馬に置いており、タイトルの「ゴール板を知っているのか」など、競馬誌で扱われない競走馬の本性に迫っている
出版が1998年(スペシャルウィークがダービーを獲った年)と十数年前で、国際レースにおける日本馬の活躍を考えると、本書で指摘される日本競馬の遅れていた部分はかなり改善されているとは思う
生き物としての馬の本質は競馬予想の根幹をなすにも関わらず、語られることは少なかった。競馬を愛する者にとって知っておきたいことばかりが語られる

馬が「ゴール板を知っているか」については、岡部は分かっていないといい、ユタカは知っていると言う。関係者によってまちまちの答えが出る
馬は過去の経験をかなり覚えられる動物らしく、人を騙したりする“意識”を持っているのは確からしい。想像以上に賢く繊細なので、知っていると考えるのが妥当なようだ
意外だったのは、欧米の馬が「馬優先主義」で育成されていること
力のいる洋芝を日本以上の斤量背負って走る欧州馬は、細い日本馬よりゴツゴツしたパワー型のイメージなのだが、調教においては馬の気持ちを配慮してプログラムされていて、アンハッピーな状態なら調教を早めに切り上げる
藤沢和雄、岡部幸雄、武豊と続く「馬優先主義」は、欧米の競馬から学んだものなのだろう
ロバーツによれば、日本の競馬場で写真撮影で人間の立ちたいところに馬を連れて行くのはおかしいし、パドックからレースまでの時間が長いのも馬には良くない
騎手であっても、馬が人間を背に乗せる時間が長いのはストレスが貯まる。馬にとってジョッキーが乗ったらもうレースなのだ
イギリスはパドックから五分でレースだそうなので、ぜひ改善していただきたい

バリエーションに富んだ面子がそれぞれの分野で深い話をしてくれるので、ピックアップするのが難しい(汗
藤沢調教師からは、滞在だとかえって落ち着かない馬もいるという意外な話も。調教をする場所と競争する場所が同じだから緊張感が解けず、ファンファーレを聴いて騒いでしまう馬もいるらしい
輸送の難は避けることができるものの、美浦の方が調整しやすいそうだ
装蹄師の方からは、1989年のJCをレコード勝ちしたホーリックスが実は落鉄していたという驚愕の事実が。それでも爪は無事だったそうだが、落鉄はそう大きなアクシデントではないとか
ちなみにレース前に蹄鉄を打ち直すことがあるが、すぐに終わるのでレースへの影響はほとんどないそうだ
ムツゴロウさんは、動物王国で見る温厚さから離れた、峻烈な探求者と下ネタ好きという姿も見せてくれる(苦笑)
動物全体からの馬という生き物を見る視点が新鮮で、競走馬を身近に感じることができる一冊だった
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