【DVD】『桜田門外ノ変』

原作に忠実すぎる映画化

桜田門外ノ変【DVD】桜田門外ノ変【DVD】
(2011/04/21)
大沢たかお、長谷川京子 他

商品詳細を見る


安政七年3月3日、江戸城桜田門外で大老・井伊直弼(=伊武雅刀)が暗殺された。水戸浪士を指揮した関鉄之助(=大沢たかお)は事を為したあと、上洛する薩摩と合流すべく京へ向かう。しかし、久光に代替わりした薩摩藩は先代斉彬の計画を覆し、蟄居中の主人徳川斉昭(=北大路欣也)も浪士たちの捕縛を命じる。文字通りの四面楚歌に陥った鉄之助は、日本全国を駆けずり回る

吉村昭の同名小説の映画化で、原作が上下巻の長編であることから、序盤に桜田門外の襲撃を持ってきている
そこから要所に回想を入れて事件にいたるまで経緯を描き、桜田門外の変が突発的なテロではなく、井伊直弼を中心とする幕藩体制を覆し有志大名による新政体を目指したクーデター計画であったことが説明される
情報量が多く時代背景が理解しやすい反面、回想と年代が近づき過ぎるとどっちの出来事か分かりにくいところもあった
2時間17分中ほとんど、主人公は逃げ続け仲間達が横死していく。多くの視聴者にとって辛い基調であり、淡々と流れすぎてメリハリには欠けている
しかしこれこそ原作小説の持ち味で、ラストに西郷が官軍を率いて桜田門を通るところに歴史の無常を感じさせるのだ

細かいエピソードも取り上げられて、脇役たちの味のある演技が光った
『八重の桜』で勝海舟役の生瀬勝久鉄之助の元上司・高橋多一郎を演じている
大坂で追い詰められ店先で切腹しようとすると店主に「店が汚れるから、他でやってくれ」と追い払われ、四天王寺で息子と自害する。腹に刀を突き刺したまま、真顔で店から寺に移動するさまは、悲惨過ぎて笑いをも誘ってしまう
こういう悲惨とユーモアが同居するシーンがあるから、長丁場でも客の気が持つ
もう一人の上司である野村常之助西村雅彦が演じる
高橋多一郎の死を聞き鉄之助らと自害を切り出すが、味方と合流し水戸に潜伏できる可能性が出ると、手のひらを返しどこまでも生きようとする。一筋の光が差すと儚い望みを賭けてしまう、人間の弱みがこの役に代表されている
直情的な人物の多い水戸浪士のなかで、ひと際人間くさいキャラクターだ

21世紀になって、こんな王道の時代劇が作られているとは思わなかった
王道の作りのため、主役の大沢たかおの背がでかすぎるなど、現代人に旧来の時代物をさせる苦しさもところどころに感じた
最近の大河ドラマでひねった作りが目立つのも、今の人に今の役者、スタッフでどう見せるかという試行錯誤であって、昔の型に押し込めればいいというものでもないだろう
それでも昔の作り方で作品として成立させるのは、さすが佐藤純彌という他ない


関連記事 『桜田門外の変』 上巻(原作)
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
SF (24)
RSSリンクの表示
リンク
FC2 Blog Ranking
ランキング
アクセスアップ!?
検索フォーム
はてな
この日記のはてなブックマーク数
タグランキング

サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。