『天の血脈』 第2巻 安彦良和

古代と近代がつながる!

天の血脈(2) (アフタヌーンKC)天の血脈(2) (アフタヌーンKC)
(2013/04/23)
安彦 良和

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那津の磯鹿島に住むイサラは大和朝廷の艦隊に連れられ、父イソナとともに神功皇后の遠征を手伝うことになる。神殿に忍び込んだイサラは、神功皇后の儀式に盗み聞いて、仲哀天皇の死に立ち会うのだった。一方、明治の安積亮は玄洋社の内田良平に頼まれ、奉天の色街に密書を届けることになるが…

いきなり近代から古代へ、それも神功皇后の三韓征伐までに遡る
作者はちょうど、隔月誌の『サムライエース』『ヤマトタケル』を連載をしていて、仲哀天皇はそのヤマトタケルの息子にあたる。以前にも『ナムジ』『神武』と日本古代を舞台にした作品があった
そして、近代の作品では『虹色のトロツキー』『王道の狗』があって、今回も日露戦争、まさに日本が大陸に進出し始める時代が舞台となる
古代と近代、安彦作品の二つの系譜が合流しているのが本作であり、大陸と日本の関わりを古代から見直す、集大成的な作品となるようだ

問題は神功皇后の三韓征伐が実在しているかどうか
作品の梯子を外すことは書きたくないが、日本書紀は天武天皇が自分やその関係者の行動を肯定するために、都合よく改竄、解釈されたという疑いがある
神功皇后も白村江の戦いの斉明天皇がモデルであるという説もあり、何が真実かははっきりしないのだ
作者は日本書紀を認めたうえで作品化する立場を選んだのであって、本作から確信を得るにはそれなりの留保が必要だろう

まあ、実際の作品はそんな細かいことはどうでもいいと思うぐらい、古代世界のおどろおどろしさが表現されている。神功皇后が踊る場面など鳥肌もんである
安彦漫画というと、ギャグ面では手塚の影響が濃すぎると言われ今回もそうなのだが、内田良平の顔がでかくなるなど80年代の手法も取り入れられていて新鮮だった(違う意味で懐かしい!)
作者なりに蓄積と工夫があって、今なお前進していると、感じ入った


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コメント

No title
本作は読んでないですが、虹色のトロツキー、ナムジなどは読みました。
安彦良和は、キャラクターデザインだけでなく、漫画家としても一流だと思います。
ただ、題材が、マニアックなのか、いまいち、話題になってない気がします。
恐縮ですが、うちのブログにもまたコメントいただけるとありがたいです(笑)
ではでは~
Re: No title
タヌキ親父さんの記事は、みんな拝見しておりますよ
コメントに関しては、予備知識がないと書きにくいものでして…(汗
『北斗の人』は読んだことあるのですが、その時何を感じたか、頭から見事に抜け落ちておりまして、いや申し訳ない

安彦さんは『虹トロ』に関しては物議を醸すことはあったのですが、『王道の狗』あたりで完成されたと思います
玄人筋からすると、漫画の技術的にこうとか、物語論でこうとか、細かいことはあるようですが、一流としての地位を築かれていると思います

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