『ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか』 保木邦仁 渡辺明

ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)
(2007/08)
保木 邦仁、渡辺 明 他

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2007年3月21日、ネット将棋・最強戦の創設を記念して竜王とコンピュータソフト「Bonanza」との記念対局が行なわれた。プロと開発者は何を思い、いかに戦ったか
本書は「Bonanza」の開発者・保木邦仁と渡辺明竜王との共著で、対戦についてはもとより、ソフトを開発する経緯対戦前のコンピュータ将棋への印象が語られ、その両者が対談するという劇的な構成になっている
保木邦仁はソフト開発が専門ではなく、もともとは物理化学で分子レベルの研究をしていた方で、研究をコンピュータで化学反応をシミュレーションしていたことから、趣味として将棋ソフトの開発を始めた
将棋の素人だからこそ既存の枠に捕らわれず、チェスソフトの手法である「全幅検索」をストレートに用いて最強の将棋ソフトを作り上げた(2006年世界コンピュータ将棋選手権優勝)

「Bonanza」については、前に取り上げた『コンピュータVSプロ棋士』と内容が重なる
本書で光るのは、コンピュータ将棋についての竜王の見解が率直に綴られているところだろう
2005年7月に月刊誌「将棋世界」の企画で、将棋ソフト「激指」がプロとの角落ち戦が組まれ、そのときに竜王は対戦して勝利していたが、もう一人のプロ、木村一基八段が負け、9月にはハッシーこと橋本崇載五段(当時)が「TACOS」と平手で対戦し終盤まで劣勢で辛勝していた
このことを受けて、将棋連盟は同年10月6日付けで「連盟に断りなしに、公の場でコンピュータ将棋との対局を禁じる」と全棋士に通達されたという
竜王はこのことを、連盟がコンピュータ将棋の強さを認めて「お金がとれるエンターテイメント」になると確信したと解釈している
ただ、2006年時点でのボナンザに対する評価は高くなく、世界コンピュータ将棋選手権で優勝したときも奨励会三級レベルで、「ポカさえなければ勝てる」と考えていた
しかし、2007年で対戦した際には奨励会三段レベル、プロに際どい水準に近づいていた。選手権ではノートパソコンであったことから、ハードの性能がBonanzaの力を底上げしたと竜王は読む
Bonanzaはコンピュータ将棋同士では抜けていなくても、人間相手に強いのが特徴で、開発者がアマ級位レベルであることから、偶然の産物であるとしている

竜王はファンが考える以上にBonanzaを研究し、その弱点を意識していた
プロからすれば対戦相手を意識して作戦を立てるのは当然で、ソフトとの練習を重ねるうちにBonanzaの終盤に弱点があることを知っていたという
対談においてプロから見て「一手一手」の終盤を、ソフトが終盤と認識しないことが明らかにされている。プロが感覚でたどり着く終局を、ソフトは実際に勝ち手順が浮かんでこないと判断できないのだ
ハードで底上げされたBonanzaは想像より強く形勢では不利に立たされたが、終盤が怪しいことを見抜いた竜王はわずかな失着をとらえて勝ちきった
コンピュータの領域とされる終盤に弱点を見つけるとか、並の着想ではないが、そこまでやらないと勝てないレベルにまで来ていたとも言える
電王戦の数年前の時点で、プロとソフトは情報戦で優劣を決するレベルに接近していたのだ


あから2010対清水女流王将戦の大盤解説 http://www.nicovideo.jp/watch/sm12479229?group_id=deflist

僕らの藤井先生がボナンザ戦は途中まで危なかったと吐露しています


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