『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』 井上ひさし

ちょうど、『いねむり先生』も並行して読んでいたから、つながりに驚いた

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)
(2001/12/26)
井上 ひさし

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本書は井上ひさしが岩手県一関市で1996年で三日ほど開いた「作文教室」での講義を元にしている
阿佐田哲也こと色川武大が一関市で亡くなり、その膨大なコレクションを文学館に保存する「文学の蔵」を設立する構想があって、自身も疎開中に世話になった土地でもあることから「作文教室」を開くことになったそうだ
「文章教室」ではなく「作文教室」である理由は、文の集まりの文章からではなく、文そのものを作ることから問い直すという意味があり、当たり前のように使っているひとつひとつの言葉からその成り立ち、隠された意味を明らかにしていく
なんとなく感覚で使用している言葉でも、使い方ひとつで文章を生かし殺しもすることが例示されていて、後半の添削なども参考になる
主義主張には相容れない部分もあるものの、文章の基本をこの方の著作から学んだ
今まで書いた文章にどれだけ反映できたかは、忸怩たる気持ちはあるものの、基本から見直していきたいので、他のもおいおい上げていきます

読み進むたびに、自分がいかに言葉を軽んじてきたかわかる

「ので」とか「から」とか「――なので」「――だから」と書いたとたんに、文章が難しくなってしまうのです。理由」を、次に言わねばならないからです
(略)
 文章をキチッと、スリムに簡潔にわかりやすく書くために、絶対に使ってはならない言葉があるんですね。
――が、なんていうのも、そうです。(p25-26)

うわあ、自分が読みづらそうな、テンポの悪い文章になる理由はこれだ(泣

 題名をつけるということで三分の一以上は書いた、ということになります。(p29)

ブログと普通の文章は若干異なるといっても、読者の気を惹くという点では同じ。僕の記事は最初の勝負に負けているのかも

 いちばん大事なことは、自分にしか書けないことを誰にでもわかる文章で書く(p31)

すべての表現の基本的な姿勢で、不特定多数の目にさらされるブログではなおのことだ
この読み手のことを考えるのが、氏の文章論の基本で、そのために誤読されないように句読点を打つ、段落・改行をする、間違った言葉遣いをしないことが大事になる

「分かりやすい文章」とはなにか
氏は人間の記憶をうまく利用した文章だとする。記憶には「短期記憶」「長期記憶」の二つがあって、文章を書くときには「短期記憶」に入る容量にとどめ、その積み重ねで「長期記憶」に影響を及ぼさなければならない
「短期記憶」の容量はだいたい十個、時間にして20秒足らずらしく、文章でいうと必要な情報が一つの文に1~2個あれば充分で、それを超えると「分かりくい文章」となる
名文家ほどこの短期記憶のリズムを感覚的に知っていて、なるべく千切って一文にしている
余分なことをいかに書かないかというのがキモで、日本語の特徴を生かして主語を省く接続助詞を使いすぎない、等の工夫が必要になる
本書は「は」と「が」の使い分けなど、基本的なことから掘り下げられて、その深い洞察には恐れ入った


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