『三国志』(北方) 第1巻 河承男

小説のイメージとは違うけども

三国志 (1) (バンブーコミックス)三国志 (1) (バンブーコミックス)
(2011/05/23)
河承男(ハ・スンナム)

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北方三国志は単行本で読むほどだったので、漫画も試しに買ってみた
いや、これはいい意味で期待を裏切られた
原作は大筋は正史に沿って幻術要素を薄くし、現実に近い範囲内で遊ぶ大河小説で、歴史小説の体裁を破りそうで大きく破ることはなかった。地に足がついた漢たちのドラマだった
それが漫画版は、登場人物、設定こそ、小説をベースにしているものの、話の調子は明らかに演義を志向している
象徴的なのが、劉備と曹操の扱いで、劉備は貧乏ながら君子人で、関羽と張飛はその純真さに惚れるといった次第で、曹操は宦官の子孫であることを強請られて斬る場面が用意され、バリバリの姦雄である
演義、吉川三国志準拠と言ってよく、(僕の記憶が正しければ)原作の劉備は大きく異なる
正史とのつながりで言うならば、曹操が宦官の子孫うんぬんは自明のことであり、考証にこだわれば強請りの対象にならないのは明らかで、この史実無視も原作とは違う
しかし、それが作品を損なっているかというと、むしろ逆!
演義上等、史実なにするものぞ」という姿勢が潔く、作者の芸風にもマッチしている
ならばよし

中韓の漫画家というと、絵は上手いけど細かく描きすぎて動きが追いづらい、またコマ割が日本人に合わないとか、勝手な印象を持っていた(タイプではいえば、初期の安彦良和に近い?)
しかし、この漫画家さんは日本で何年も連載を持っている人で、コマ割りもメリハリが利いてリズミカルで、まったく違和感がない。見事にアジャストしている
それでいて、大きいコマにはガツンと描きこむのだから圧倒される

いらぬ先読みをすると、気になるのは登場人物の描き分けだ。本気で原作のキャラクターを描き分けていくと、膨大な人数ゆえ被る人間が出てくる
横山光輝は記号的に切り抜けていたが(切り抜けていないような気もするが)、劇画調ならばどうやり繰りするか
蒼天航路みたいに妙なひねり方をしないで欲しいものだけど、この人なら杞憂かな


三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)
(2001/06)
北方 謙三

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