【電王戦】どうなる?人間対コンピュータ

昨日、Togetterでまとめたものを補足して、より掘り下げてみます

人間対コンピュータ将棋の行方(ゆくえ) http://togetter.com/li/480505

管理人はかつて大学の将棋部に在籍していて、将棋を指すより「将棋世界」を読むのが好きなヘッポコ部員でした

1.コンピュータ将棋の特徴

過去の対コンピュータ戦を見通して思ったのは、序中盤はややリードを許すものの、勝勢まで許さずCOMはひたひたと機会をうかがっていた。人間様に容易に勝ち許さない差し回しで、寄せは詰め将棋レベル以前ですら正確だったことに進歩を感じた 数年前の市販のものだと、寄せで緩手を打ってくれる
kuronokuru1985 2013-03-31 22:09:32

僕が愛用してきた『AI将棋』は中盤が甘く、詰め将棋に入らないと攻めに鋭さがなかった(それでもいい勝負なのだがw)
それに比べ ponanzaは攻めの急所を逃さない。使われているパソコンのスペック、台数の違いはあるものの、素人目でも寄せのレベルが確実に上がっている

人間とコンピュータ将棋との戦いは、非対称の戦いだ。コンピュータは恐ろしい局面の数を読むものの、局面への判断が正確か疑問がある。その代わり、終盤は間違えず、精神的にも疲れない 将棋は最後にミスした方が負けるゲームだから、終盤震えないのは強い
kuronokuru1985 2013-03-31 22:15:38

第二局において、後手7三桂に対する、 ponanzaの先手8七金のやや疑問で金冠の悪形を作ってしまった。将来の当たりを避けることを優先しすぎて、囲いの弱体化を軽視していた

コンピュータ側はプロの棋譜から将棋を教えていて、思考に癖はあるものの、新手、新戦法は出せないはず 定跡から外れた局面でも、プロが優位に進められるはず 対コンピュータ将棋の戦いは、人間が序中盤を優勢にすすめて、いかに終盤で紛れのない順を選ぶか、不発弾の信管を外すような勝負になる
kuronokuru1985 2013-03-31 22:21:03

ただ不発弾の外し方が非常に難しい。COMが昔よりチョンボしなくなっている これが怖い 不発弾を爆発させないように、いかに指し回すか 電王戦は観客からすると、黒ひげ危機一髪のようなヒヤヒヤした戦いになると思う でも、それは将棋の醍醐味でもあるのだ
kuronokuru1985 2013-03-31 22:28:12

このあたり、実力に天地の違いはあれど、対コンピュータの戦いにおいて、素人もプロも変わらないのじゃないだろうか
人間側は終盤に時間を余さないと、確実に苦しくなる
清水市代-あから2010の対局をみても、秒読みに追われたのが痛かった。素人目からみると、決定的な疑問手は見えなかったが、ささいな隙を咎めてくる


2.人間対コンピュータの勝敗ライン

人間とコンピュータの戦いといっても、どの時点で人間が勝ち負けしたかというのも難しい ドワンゴ会長が言うように、将棋知っている人間の大半がソフトに勝てなかった時点でアカンやろという考え方もある
kuronokuru1985 2013-03-31 22:30:41

電王戦を記念してドワンゴ川上会長と羽生三冠の対談があって、そこで会長が放ったのがこの基準だ
身も蓋もないが、コンピュータゲームなどではコンピュータを強くしすぎてはユーザーがやる気をなくす、あるいはクリアが不可能になる恐れがあるからと、当然のように調整されている(強いAIを作れない場合は逆にハンデを持たせる場合もあるが)
IT業界の人間からすれば、常識的な視点なのかもしれない

チェスにならえば、トッププロが世界一のソフトに負けたら決着ということになるかもしれないが、あれももう一度やらしたらどうだったのか分からない カスパロフは作戦的に成功して勝利した一局もあったし、精神的に追い詰められて棒に振った一局もあったはずだ
kuronokuru1985 2013-03-31 22:34:06

IBMがディープブルーを送り込んで行なわれた勝負は、商業的な色彩が濃かった
チェスの勝負は引き分けが多く、カスパロフの一勝二敗三分で「コンピュータが人間に勝った」と報道された
前年にはカスパロフが完勝しているので、シリーズでは一勝一敗という見方もできる
カスパロフは再戦を希望したが、IBM側はチェスチャンピオンを倒した名声を得て、プロジェクトを終了させてしまった
この点、コンピュータ将棋の開発者は、まくり一発の勝ちではなく、人間に勝ち続けることを念願としているので、勝ち逃げはしないと思う

一番まずいと思うのは、コンピュータが完全定跡を見つけてしまうことだ それではゲームが死滅してしまう だが、その可能性はほぼないと思う そもそもゲームそのものを消滅させるような開発に、投じる金とリターンがあるのか、という商業主義の問題 誰もうれしくない
kuronokuru1985 2013-03-31 22:45:26

身近にまずいと思うのは、ネット対戦などで終盤からソフトを利用すること
操作の煩雑さはあるにしても、手馴れた人間ならば可能だろう
コンピュータとソフトが発達することで、人間が思考を捨ててしまうのが一番いけないことなのである
まあ、実戦を想定すると、秒読みに追われてソフトを動かすどころではないような気がするが

現行のソフトでは、プロの棋譜から形成判断を教えていく形になっているのだから、たとえ忠実に覚えさせられても、既存の考え方に縛られた域をでない 単にルールだけ覚えさせて、勝手に考えて完璧に指すところまでいかないと思う
kuronokuru1985 2013-03-31 22:50:15

僕自身は現行のソフトが将棋の質で人間を上回ることはないと思う
ただ、こういう人間の防衛ラインは世間は認めないだろうし、プロには将棋でも勝負でも勝っていただきたい
とはいうものの、故・米長会長いわく、対ソフトの研究は対人間には役に立たないわけで、出場したプロ棋士は貴重な時間を犠牲にして電王戦にのぞんでいる。普段の棋戦に影響が出る可能性があるのなら、気後れするのが当然である
リスクを承知で出場した勇気をまず褒め称えられるべき

電王戦第二局では、 ponanzaがほとんどの定跡を外して(これはこれで凄い勝負手だ)、午前中は開発者の山本さんが頭を抱えることになった それでもそこから決定的な失着なく、逆転まで持っていくのだから、たいしたものなのだが
kuronokuru1985 2013-03-31 22:56:32

人間対コンピュータの戦いと言われる裏で、実は開発者という人間が勝負手を放っていた。電王戦第二局で一番面白かったのはここだ
開発者にとってソフトは作品であり、わが子である。プロ対コンピュータ将棋の戦いは実は人間と道具を作った人間の戦いでもあったのだ

*2013’4/8
 4月6日の第三局は、ツツカナ船江五段に勝利しソフト側が番勝負に王手をかけた
 将棋の内容は第二局よりもはっきりとプロ側が優勢な局面があったが、ツツカナが糞粘りを見せてひっくり返してしまった
 終盤の失着ではなく中盤の手堅そうな悪手を咎めたものであり、内容的にも想像以上の強さだ
 船江五段は最後まで心が折れなかったが、見た目の疲労は隠せず、コンピュータは疲れない強みを存分に生かして勝ちきった
 第二局、第三局で普段の対局がいかに人間の精神を削りあうものかということを見せてもらったと思う
 相手が機械だからこそ、将棋というゲームの本質が剥き出しになる



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