『「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人』 池田信夫 與那覇潤

kindleはいい加減に買わんとなあ

「日本史」の終わり  変わる世界、変われない日本人「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人
(2012/09/19)
池田 信夫、與那覇 潤 他

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なぜ、グローバル化した世界で日本は苦戦するのか。経済評論家・池田信夫『中国化する日本』の與那覇潤が、日本の歴史と閉塞する社会を斬る!
タイトルが「日本史の終わり」とあるのは、世界史で日本を捉えることと同時に、江戸時代から続く力学で政治を動かすのを止めようというメッセージが込められている
もっとも本書の対談は、日本のみに留まらない
原初の人間は平和的だったか好戦的だったか、という人類に対する基本的な認識から、西欧と中国の逆転は植民地の収奪にあり近代国家は戦争によって作られた、など様々な分野に及び、タイトルがぼけるほどのボリュームになってしまっている(苦笑)
対談の収録期間に幅があったのか、「ネットではああ言ってたけど、実のところ逆の可能性も考えるんだ」と思わぬ本音も吐露されて、現在進行形の社会を扱う難しさを感じた

本書で提示される日本人論は、今まで語られ尽した日本人像を再確認するもの
島国で外敵に占領されることもなく、国内での戦争も江戸時代に入るや起こらなくなり、“平和ぼけ”の国民性が確立された。戦争時には損切りできない根性で支離滅裂な敗戦に到り、戦後はその特性が生きて製造業で発展したが、現在は逆境に経たされると損きりを許さない構造が停滞を招いている
それは、池田氏の語る官僚組織の在り方に象徴されている
日本の官僚組織は、外面は中国を倣ったような構造を持ち庶民や政治家に対して高い権威を示すのだが、内部における意志決定は悲しいほどの村社会一つの案件を扱うのに、担当する部の管理職だけではなく関連する全ての課の印を押さねば通らない
明治時代に「中国化」しそこねた組織が自然と村社会化し、本人達がどうにもならないほどがんじがらめになっている
しかし、その組織が例外的に躍動したのが小泉政権で、強いリーダーシップのある「皇帝」と補佐する側近がいれば、官僚としての本分に立ち返ることもあるらしい
民間の平和ボケ企業は自然に淘汰されるはずなので、保護行政を止め生き残った経済人が政治に殴り込めば面白いと思う

帯に「日本は江戸時代から進歩していない!」とあるが、あまりショックを受けない人が多いのではないだろうか
アメリカ人にとって西部劇がそうであるように、江戸時代はこころの故郷だ。長らく“安定”と“平和”が保たれた時代であり、この二つの価値は日本人にとって重い
そもそも一つの方向へ進む一神教的な時間概念を持っていないのだから、“進歩”とは何かはっきりしていないところがある。佐藤優氏が言っているように、今を保とうと考える「今ここの終末観」を持つのが日本人なのだ
三つ子の魂百までで、変えるのは並大抵のことではないが、あるとすれば江戸以前の世界によりどころを求めることだろう
本書でも、日本版コモンローとしての「御成敗式目」日本版プロテスタントとしての「一向宗」が紹介されて、違う日本の可能性を探っている
現代の日本は江戸的な共同体が解体して、中国化というより中世化しつつあると思うので(橋下市長は皇帝ではなく悪党!)平安から戦国まで視野を広げて新しい日本人像を考えたい

「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人
(2012/10/05)
池田 信夫、與那覇 潤 他

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