【映画】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

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エヴァンゲリヲン新劇場版 1000ピース シンジとカヲル―エヴァンゲリヲン新劇場版:Qポスターイラスト― 639-11エヴァンゲリヲン新劇場版 1000ピース シンジとカヲル―エヴァンゲリヲン新劇場版:Qポスターイラスト― 639-11
(2012/12/06)
やのまん

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ネットの各所でネタバレ感想を聞いてしまっていたけれど、実際に観た印象はだいぶ違った
『Q』前回までとは全く違う映画
勢いよくネタバレすると、『破』のラストにおける覚醒でニアサードインパクトが起こった後の世界であり、そこから14年経った後にシンジは目を覚ます。そこでは、ネルフとそれに反逆したヴィレとの戦闘が続いていたのだ
『破』までの原作をなぞった内容ではなく、まったくの新展開なのだ
14年という間隔はだいたい旧作から今までの年月であり、ここからが本当の新作ということだろうか

さて、冒頭は何やら分からぬ内に大気圏上での攻防となる
シンジを取り戻すために使徒らしいのとアスカとマリが戦い、迫力ある戦闘が展開される
表現の上からは遠目にCGで描かれているものが陽に当たったり、近くなると手描きのアニメに変化するのには目を見張った。CGはドアップすると質感が良くないので、その弱点を補う手法なのだろう。これをでかい構造物に適応するのだから、相当な手間と金がかかっている。ゴージャスなのである
反ネルフ組織ヴィレエヴァを運用できる戦艦(ブンダ?)を持っていて、ミサトとリツコとその部下たちが動かしている。ネルフとヴィレの間柄は、Zのティターンズとエゥーゴを彷彿とさせて、展開や台詞にもそれを意識させるものがあった
ああ、庵野監督はガンダムがやりたかったんだ、群像劇になるんだ、とここまではそう思っていた

しかし、シンジがネルフに移ると、恐ろしいほど人が出てこない
ネルフには、カヲルレイ・クローンゲンドウ冬月他、食事を届ける人しかおらんのだ(苦笑)
ヴィレのわいわいがやがや感に比べ、この閑散とした様子はなんなのだろうか
世界はすでにニアサードインパクトで破壊され、守るべき社会もない組織としてのネルフは全く描かれず、わずか5~6人だけで話が回っていく
かなり急仕立てでカヲルのエピソードが再演され、シンジは再び世界滅亡の引き金を引く
ガキだなんだと叫ばれても、14年のブランクがあるひょっこりシンジくんには酷であろう。製作者による露骨なイジメである
『破』を観てアッパー的なエンターテイメントになると見込んだが、その期待は裏切られた
とある野球選手が白くなったり黒くなったりを繰り返すように、ブラック庵野が我慢しきれず噴火してしまったかのようだ
なんで個人の精神の救済を描くために世界を滅ぼすのかな。僕にはまったく分からないよ

不気味な前兆はそこかしらにあった
『Q』の上映前に巨神兵、東京に現る』という特撮のショート・ムーヴィーが流される
その内容はまさにエヴァのサードインパクトを実写化したような光景であり、林原閣下のナレーションで「世界の意志など知ったことか」と流れる
その時は宿命論の拒否とも受け止めたが、『Q』を見終った後では「世界や世間など知ったことか」という個人主義の宣言に読み取れた
また、エヴァのチルドレンたちが年を取らないという設定があり、アスカによってエヴァに乗った者の宿命と語られる
主要キャラの容姿を変えない苦肉の策であり、『スカイ・クロラ』のキルドレも想起されるが、庵野監督は正直で自己言及を好む人である
シンジが年を取らないのは、14年経っても表現者としての自分は何も変わらなかったと言いたいのではないか
物事を頭で理解したり人生経験を積んでも、それを作品に表現できるかというとそれほど人間は便利じゃない。表現者それぞれの固有の才能、性格で表現の幅が決まってしまうのは、致し方ないことだ
しかし、他のチルドレンたちも年を取らないのは不気味である。いわば、エヴァを患っている人間は歳を取れない、変れないというメッセージを突きつけているのではないか
ネットではシンジくん視点で入りこんでフォローする人もいて、世界の滅亡については余り触れられずそれは確かに正しい付き合い方だとは思う
しかし、表現において人間を支える社会や世界、自分の属する集団以外の人々を軽視した作品であり、表現者本人がその点万歳していることを受け止めるべきだろう




前作 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

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