『花神』 中巻 司馬遼太郎

コントロール・テロ・ユニット

花神 (中) (新潮文庫)花神 (中) (新潮文庫)
(1976/08)
司馬 遼太郎

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村田蔵六が長州藩に属してから、日本の情勢は急変する。政変で長州と味方の公家たちが都落ちすると、池田屋事件、禁門の変を経て、佐幕側は長州征伐に乗り出す。長州藩内でも俗論派の政権が正義派の高杉晋作らに転覆され、幕府と戦う体制が成立した。蔵六は政変に動じず、ただ己の本分を尽して農兵中心の近代軍を作り上げていく

第2巻はめくるめく政変から、第二次長州征伐で蔵六が陣頭指揮に出るまで
蔵六に研究をさせるだけでは小説として寂しいからか、幾つもの重大な決断に関わることになっている
例えば、伊藤俊輔(博文)、井上聞多(馨)らをイギリスに極秘留学する際には、密航の手段まで検討して手配させていた
また、桂小五郎が禁門の変後の潜伏生活から長州に帰る際に、確実に口の堅い人間として蔵六を指名している
史実にしては吹かし気味のエピソードながら、蔵六と桂の信頼関係を物語っていて、蔵六の長州における地位が桂の後ろ盾あってものだということが良く分かる
縁が切れたと思われたイネさんも登場し、父との再会を蔵六に語るところは文学的にも深く切り込んで、武骨な物語に華を添えている

火吹き達磨の風貌で、いかにも頭でっかちな性格の蔵六が、長州全軍の作戦を立てるのはともかくも、実戦に出て結果を出してしまうがなんとも不思議
なぜ、机上の天才で終わらないのか
ひとつには医者として人間の死や死体に何度も立ち会ってきたこと、西洋の兵学を知っているのがほぼ蔵六しかおらず長州側に反論できる人がいないこと、宇和島藩の事業で集団でするプロジェクトを経験したこと・・・・・・
いろいろと思いつくけども、それだけでは説明がつかない
イネに対する鈍感さが実戦で、感情を挟まない胆力に結びついている気もするが
司馬も心理描写に関しては、書くだけ書いて「なんだかわからない」と投げ出したりしているので、無理に分かろうとするのがおかしいのかもしれない
でも、分からないはずのことをアレコレ考えるのが楽しいのだ


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