『天の血脈』 第1巻 安彦良和

以前ガンダムエースの記事で、安彦さんのマンガ再開を書いてたけど、とっくの昔に他誌で連載を始まっていたようでして(苦笑)

天の血脈(1) (アフタヌーンKC)天の血脈(1) (アフタヌーンKC)
(2012/08/23)
安彦 良和

商品詳細を見る


日露戦争前夜の満州に調査隊が到着した。嬉田教授を隊長とする学生中心の編成で、古代朝鮮の歴史を記した「好太王碑」を研究するためであった。一学生とした同行した安積亮は、ロシア軍、玄羊社の内田良平、馬賊の張作霖ら様々な勢力に翻弄され、国際政治の謀略戦に巻き込まれていく

『虹色のトロツキー』『王道の狗』に続く、近代大河新シリーズ!
本書の物語は日露戦争前の満州が舞台で、古代朝鮮の碑文を入口とする
それにタイトルを加味すると、天皇家や日本人の起源を古代から遡り、引いては戦前のアジア主義の展開を探る内容になるようだ
なにせ、第2巻は古代朝鮮半島が舞台と予告されていて、作品世界が時間軸でも広い!
様式は古い劇画調に手塚なギャグが入る、従来の安彦漫画。最近の漫画と比べて、背景が薄いのは親子二人で制作に臨んでいるからだろう
この作風が、昭和の冒険小説の空気を匂わせてくれて、作品のテーマとも嵌っている唯一無二の安彦ワールドは健在だ

『王道の狗』のラストでは、主人公・加納周助はアジア主義に目覚めて孫文の協力者となった
やや理想主義な幕引きだったが、作者はナショナリズムが狭い空間に留まらず、普遍性を持ったものに昇華する試みとしてアジア主義を見ている
この作品にも既に、日韓併合派の朝鮮青年を登場させて、玄羊社・内田良平の部下に配されている
こうする所以は、アジア主義は日本が大陸へ進出する以前において、アジアの植民地化を防ぐ精神性を持ったものとして、見るべきものがあると評価しているからだろう
少なくとも、現代の国際環境を終着地とする歴史観ではなく、そもそも近代国家や民族観念が成立していない地点からアジアを眺めようという視点がある
日韓同祖論、騎馬民族国家論など、下手すれば簡単に大陸進出を肯定できる危ないテーマである(戦後しばらく単一民族論が流行ったのは、戦前の反動だろう)
果たしてこれをどう裁いていくのか。注目なのだ


前巻 『天の血脈』 第2巻
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリ
SF (25)
RSSリンクの表示
リンク
FC2 Blog Ranking
ランキング
アクセスアップ!?
検索フォーム
はてな
この日記のはてなブックマーク数
タグランキング

サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。