『屍鬼』 第1巻 小野不由美

予定がズレて9月になったが、まだ暑いのでヨシ

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
(2002/01)
小野 不由美

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山に囲まれた外場村は、外界との関わりが少ないために未だ古い習俗が保たれた山村だ。その外場に異変が生じつつあった。山深く住む三人の村人が謎の怪死を遂げ、その死体は獣に食いちぎられたように散乱していた。そして、なぜか一人だけは死亡推定時刻がずれている。空き家だった洋館に、夜逃げのように謎の家族が引っ越してきて・・・

『SIREN』のBGMを聞きながら、読んでいたが勇み足だった
まだ、1巻目では滅びの予兆しかないのだ(『SIREN』ではゲームの最初から村が終わっている)
しかし、その予兆の,気味が悪い
まず、主人公格の一人、僧侶・静信が書く怪奇小説の一節として、「村は死に包囲されている」などが太字で示され、その後の展開を匂わせている。その小説の内容と、表向き無関係に村の生活は粛々と営まれていくため、読者はその乖離がいつ埋まるのかハラハラさせられる
怪死事件の後にいつもの日常が始まると、空き家の洋館に謎の家族が移住し、今度は思いもかけない元気な人物が逝ってしまって連続の死が続く
どこまで続くのかと読み手は心配になるが、村は不安を内包しつつもまた粛々と動き始める・・・
ここまで起こって何故、見逃そうとするのか。これが一番薄気味悪い

小説は村人一人一人の群像劇として展開されていく
一つの事象にも、各個人にとって違う解釈がなされ、違う表情を見せる。その集合をもって、読み手に全体像を想像させようとする
こうした構造はまさにゲーム『SIREN』そのもので、この作品なしに『SIREN』は存在しえないのでは、とまで思ってしまう
村の住人の生活、行動について、それぞれ丁寧に膨大な文量で描かれていくので、展開は非常にゆっくりである
時間の少ない現代人の娯楽として許されるのか、とも思うスローさだが、小説ならばこそ、これが許される。こうもぜいたくに間を使えるのが、小説というジャンルの長所なのだ
映画やマンガ、ゲームの感覚に慣れると、「まだ何も起こらぬか」と前のめりになってしまうが、あえて作品のテンポに身を委ねてもいいじゃないか。そう思わされる作品だ
群像劇ながら、主人公的に見えるのは、副住職兼小説家の静信村唯一の病院の院長・尾崎敏夫一匹狼の高校生・結城夏野。これもつい、『SIREN』の登場人物に重ねて見てしまう

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(2005/11/02)
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次巻 『屍鬼』 第2巻

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