『ソラリスの陽のもとに』 スタニスワフ・レフ

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ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
(1977/04)
スタニスワフ・レム

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心理学を専攻するクリス・ケルヴィンは友人の要請で、惑星ソラリスのステーションへ調査に赴いた。しかし、待っていたのは、風変わりな研究者二人と友人の死。いい知れぬ異常を感じたケルヴィンだったが、彼の前にも「お客」が訪れる。それは10年以上前に自殺した妻ハリーの姿をしていた・・・SF史に残る傑作

タルコフスキー『惑星ソラリス』ソーダバーグ『ソラリス』の原作小説だ
先に両映画を観ているので、ついつい違いに目が入ってしまう
小説を読んだことでタルコフスキーがロシア文学的に加工していたのを再確認できたし、ソーダバーグ版も原作に近づけた部分はあるものの、タルコフスキー版の影響が残っているのが分かった
映画との最大の違いは、ラストのあり方だろう
小説は主人公の将来について曖昧な形で終わっていて、両映画では死人にひかれソラリスに取り込まれるラストとなる。この点において、ソーダバーグ版もタルコフスキー版を踏襲していた

SF史的には、人間の延長としての宇宙人ではなく、全く異質の存在との邂逅を描いたものとして注目されるらしい
いわば決して理解できない存在に出会った時、その存在とどう向き合っていくのか
舞台が宇宙なので、あくまで宇宙の話として語られるものの、本作品では地球上の現実の問題、人間の問題として普遍的なテーマが散りばめられている
まずは科学の観察の問題。知的生命とおぼしいソラリスは、観察者の深層を読み取って変幻に姿形をとる
観察者からすると、何が「擬態」で、何がソラリスの本質であるか分からなくなる。観察者の存在が対象に影響を与えているとなれば、その影響をどう寸借すればいいのか
まして、ソラリスが昔の恋人を持ち出してくれば、生身の人間はどう対処すればいいだろう
次に人間の認識の問題
ソラリスは様々な表情を見せるが、観察する人間は異形のものに対して最も近い事物に当てはめて考える。まず既存のイメージでフィルターにして物事を捉える
人間は観たいものを当てはめがちなのだ。果たしてそれで、全く異質の存在を異質の存在として把握することが可能なのか
スナウト博士が中盤に意味深な言葉を吐く

われわれは人間以外の誰をも求めていない。われわれには地球以外の別の世界など必要ない。われわれに必要なのは自分をうつす鏡だけだ。他の世界など、どうしていいのかわれわれにはわからない。(p141)

人類は異質な環境を自らの都合のいいように改変してきた。同じ人間同士でも、力の強い方が弱い方に“同化”を迫ってきた
ソラリスの圧倒的な異質さは、まさに鏡として人間の本質を映し出す

そうした哲学問題に華を添えるのが、死んだ妻の姿をしたソラリスとの恋物語だろう。モッコリする人間だからこそ、事は難しいのである
しかし、この主人公と彼女の関係は、どこかアニメを思い出さないだろうか
人間似姿をした異質なヒロイン死者をトレースし何度も蘇るクローン一皮むけば馬鹿力の発揮・・・
設定そのものは各地の神話にも見られ起源は古いのだろうが、近未来を舞台にした作品群との関わりを考えると、この小説を経由したと考えたくなる
いかにもアニメ的、ラノベ的に見える設定でも、実はとっかかりとなる名作があってその存在が創作の後押しになるのだ
違う見方をすると、マンガに発したキャラクター小説が充実していない時代においては、小説が講談、ラノベ的な役割を背負い、その成分を豊潤に持っていたといえそうだ

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