『ノモンハン 3 第二十三師団の壊滅』 アルヴィン・D・クックス

ようやく三巻目まで来た

ノモンハン〈3〉第二十三師団の壊滅 (朝日文庫)ノモンハン〈3〉第二十三師団の壊滅 (朝日文庫)
(1994/05)
アルヴィン・D. クックス

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電撃戦の模範ともいうべきジューコフの八月攻勢から、第二十三師団の壊滅、大本営の“停戦人事”まで
第二十三師団を包囲したソ連軍は、以前より増して強力だった
緒戦では火炎瓶などで善戦できた対戦車戦も、ソ連側の対策や新型戦車でまったく通用しなくなる
頼みの速射砲もまったく数が足りず、師団は文字どおりに蹂躙されていく
日本軍の弱体ぶりもさることながら、ソ連軍の無法ぶりも目に余る。野戦病院を砲火で焼きはらい、担架に乗った負傷者たちを戦車で轢死させていく
日本軍は連れ行けない負傷者に、自殺用の手榴弾を渡すのだが、それが慈悲に見えてしまう始末だ

日本軍はまさしく決死の抵抗を繰り広げるが、その脚を引っ張るのが形式主義
特に連隊旗への偏愛は異常なほどで、それを守るために兵士は死に、守れなかった時指揮官は自死する
軍隊全体で“旗>将兵の命”と認識されているのだ
より退却は困難になり、貴重な将兵は失われていく。いかに昭和の軍隊の精神主義が近代戦にそぐわなかったか、の顕著な例だろう
日清・日露以来の攻撃主義も、指導部の判断を誤らせた

「大隊長殿、生意気なようですが、このままやったら全滅ですよ」と、少尉は小倉に話した。
「おれも、そう思う」と小倉は答えた。「上の方でどう考えているか、わからん」
 しかし、ある中隊長・・・(略)・・・は大胆にも上級司令部を訪ねて、いったいなにが行なわれているのか知ろうとした。この中隊長が聞かされたことは、攻勢移転が強行できるということ、そしてその理由は「日本軍の軍人だからだ」ということであった。(p98-99)

まともに防衛しきれないから、逆に攻勢に出てなんとかするという現実逃避的な発想。太平洋戦争でも、インパール作戦ってのがあったよねえ

第二十三師団の後方には、それを支援するために上級司令部として第6軍が編成されていて、関東軍の一線級とされた第七師団の救援が予定されていた
第6軍の司令官である荻州中将たちの対応は悲劇を通り越した喜劇で、楽観して前に司令部を出したら敵の火力に驚き、第二十三師団の救援に却下するという有り様
結局、解体寸前の第二十三師団が各々、闇夜をあてにして落ち延びることとなり、第6軍にたどり着いたときには八割の将兵を失い、戦える兵士は数百名のみと大隊並の人員までに落ちていた
しかし、第6軍はいざ第7師団が加わり、さらに増援の見込みがつくと急に自信を取り戻し、停戦にもっていきたい大本営に反駁して、再度攻撃、第二十三師団の弔い合戦を主張する。いったい、どの面を下げて言っているのか
第三巻で軍事衝突としてのノモンハン事件は終了する。第四巻ではその後への影響が取り上げられるようだ


次巻 『ノモンハン 4 教訓は生きなかった』
前巻 『ノモンハン 2 剣を振るって進め』
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