『ひとびとの跫音』 上・下 司馬遼太郎

親父からの借り物で、なぜか角川文庫のしおりが入っていた
しかも、それは84年正月公開の『里見八犬伝』の優待券になっている
主演の薬師丸ひろ子、真田広之が当然のごとく、若い!

ひとびとの跫音〈上〉 (中公文庫)ひとびとの跫音〈上〉 (中公文庫)
(1995/02)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る

ひとびとの跫音〈下〉 (中公文庫)ひとびとの跫音〈下〉 (中公文庫)
(1995/02)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る


友人だった正岡家の養子・正岡忠三郎の一生と、その周囲で絡み合うように生きた“ひとびと”を描く
司馬が直に接していた人たちの話なので、歴史小説には分類できないと思った
なにしろ、忠三郎さんが死んで葬儀委員長を頼まれるところから始まるのだ
忠三郎さんが正岡家に養子に入ったのは、子規が死んだ後で、実父は子規の叔父加藤拓川
養母となる子規の妹・律とは学費は出してくれたものの、そらぞらしい関係で、実母のひさは宗教にのめり込み、妹を除いて家族との関わりは薄かった
学生時代は文学に嵌り、中原中也富岡太郎と深く交際するが、アウトサイダーにはならず阪急電鉄の車掌や販売員を実直に勤め上げて人生を終えた
流転のなかで様々な分かれ道に合いつつも、真っ当に市井を生きた人の物語なのだ

内に詩情を潜ませつつも、ほとんど外に出さない忠三郎さんと対照的なのが、もう一人の主人公、タカジ
本名、西沢隆二
ぬやま・ひろしの名で詩人として活動しつつも、戦前に共産党員となり11年投獄された。監獄中に創作した詩集『編笠』で、世に知られるようになる
共産主義に傾倒しつつも、天性の芸術家というべき人で、踊りと歌で革命を広げようとして理解されず、党から追い出された
いわば忠三郎さんが抑え続けていたことを、その代わりのように解放し続けていたのが“タカジ”なのだ
忠三郎さんと知り合ったのは共に旧制高校だったが、正岡子規にのめりこんだのは獄中だった
タカジは忠三郎さんが死病にかかった時、正岡子規の全集を作ろうとし奔走し、司馬とともに編集委員に名を連ねた
彼が忠三郎さんが死んだ時に吐き出した台詞と、自身の最期に残した台詞が、映画のように出来すぎている。劇的な人だ

忠三郎さんの実の妹たえは、実母ひさが宗教に入れ込んだ影響から逃れようと、教会で洗礼を受け修道女ユスティチアとなった
忠三郎さんは何かと目をかけて、自身が病気のときに妹が入信させようとすると、洗礼を受けたほどだった。ただ妹のために
年に3日ほど忠三郎さん宅に妹は帰るのだが、偶然タカジが訪ねてきたことがあったらしい。監獄で修行僧のように過ごしたからか、タカジは修道女に気に入られたそうだ
忠三郎さんの家には強固な共産主義者と敬虔な修道女が行き交ったのだ
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリ
SF (25)
RSSリンクの表示
リンク
FC2 Blog Ranking
ランキング
アクセスアップ!?
検索フォーム
はてな
この日記のはてなブックマーク数
タグランキング

サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。