『坂の上の雲』 第6巻 司馬遼太郎

W選挙で大阪は、「橋の下の坂」
・・・見逃して下さい

坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)
(1999/02)
司馬 遼太郎

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黒溝台の戦いの結末から、バルチック艦隊の大航海明石元次郎の大諜報作戦乃木の第三軍の北上と、来たるべき奉天会戦日本海海戦へのつなぎとなる第6巻
黒溝台の戦いは苦戦どころではなかった
ロシア軍の左翼への大攻勢に満州軍本営は対応に大きく遅れ、クロパトキンとグリッペンベルグとの対立がなければ戦線が崩壊するところだった
近代になって、三國志さながらの脚の引っ張り合いを演じるロシア軍も酷いが、日本側も全く持って相手のミスで負けずに済んだのみ
満州においては、ほとんど日本が優勢になる局面がなく、ただただ敵の慎重さに助けられるばかりなのだ
読めば読むほど、日露戦後に大陸へ進出していく気になったことが不思議に思えてくる

登場したときから、作者の罵声(?)を受け続けるロジェストウェンスキー提督にフォローが入るようになった

 ロジェストウェンスキー提督は水兵が退屈するほどのひまを決してあたえず、たえまなく射撃訓練をさせ、外洋に出ては艦隊運動の演習をし、夜は夜で哨戒勤務を厳重に課した。・・・(略)・・・
 ロジェストウェンスキー中将は、かつて旅順で艦とともに沈んだマカロフ中将の百分の一ほどの好感も兵員からうけていなかったが、しかしかれが有能な提督であることを、その哨戒作戦において示した。(p91-92)

ついに、有能」という言葉がでてきたのだ
なんだかんだ、日本近海までの大航海を成功させるわけなのだから、まるで無能なわけがない
士官を怒鳴り散らすとか、末端の兵士を直接殴るとか、将の器ではないという言い方は確かに当たっているだろう
しかし、それは日本の基準なのであって、当時の帝政ロシアからするとさほど問題にならなかった程度かもしれないのだ
こういうロジェストウェンスキー像は、彼に反感を持つポリトゥスキーの日記や、ノビコフ・ブルボイの『ツシマ』から想像されたのだろうし、旧軍時代の嫌な上官を思い浮かべたのかもしれない

明石元次郎についてもけっこうな紙数が割かれていた
NHKの大河だと一人で大諜報を行なったイメージになっているが、小説中では運良くフィンランドの過激派・シリヤクスと出会い、彼の活動を支援することを通じて、対ロシアへの大戦線が組まれたことになっている
明石が戦後語ったところでは、スパイのノウハウなど全くなく、死を覚悟して実名で活動。周囲と資金に恵まれて大きな成果を挙げたという。といっても、諜報関係だけに墓まで隠すこともあるだろうし、どこまで本当なのかは分からない
ロジェストウェンスキーともども、向こうの研究があったら読んでみたいのだけど


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