『3・11後 日本経済はこうなる!』 池田信夫 他

実家の母親が「本棚が崩れそう」とか言いだしたので、本を袋一杯にして持って帰ってきた
崩れそうな原因は、オカンの趣味本のせいだと思うのだが

3・11後 日本経済はこうなる! (朝日新書)3・11後 日本経済はこうなる! (朝日新書)
(2011/06/13)
池田信夫、小黒一正 他

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討論番組でも見かけるようになった“カリスマブロガー(!?)”池田信夫が、財政、エネルギー政策、電力危機、復興計画などについて、各ジャンルの専門家と論じた新書
フクシマ後の池田信夫は、自然エネルギーを過大視する脱原発の流れに対し、原子力に代替する各のエネルギーのリスクを指摘。現在の原子力行政のあり方を批判しつつも、エネルギー政策から“原子力”を排除することは現実的ではないとしてきた
この本の長所は、脱原発派への反論というベクトルである氏の議論を、対談者たちがやんわりと突いていくことで多面的な議論ができていることだ。脱・脱原発のようなプロパガンダに落ちず、事態の複雑さ、対策の多様さを示すことに成功している
序と締めの文は池田節全快だが、対談者に自らに同調する人間を選ばなかった見識を認めるべきだろう

印象深いやり取りとしては、やはり原発の議論だろうか
「完全な安全性を考えたらキリがないから、経済性で考えるべき」とする池田に対し、元通産省の澤昭裕は「テール・リスク(数少ない出来事の事故)に対する配慮を含めた経済性で比較するべき」とする
今回の震災で、直後の計画停電、夏場の節電それに伴う輪番休業が起こったことを踏まえると、経済性よりも安定供給が重視されると言うのだ

 経済性の話では、エネルギー種別ごとの発電コストも考える必要があります。キロワット時あたり6円程度といわれる原子力の発電コストは、廃炉にするコストや再処理のコスト、あるいは安全性の強化のためのコスト等を再度精査して、再計算しなければなりません。今まで安いと思われていた原発がそれほど安くないとなれば、値段が上昇している化石燃料など他の電源が相対的にコスト競争力をもちます。あらためて、電源コスト比較をやり直す機会だと思っています。(p112-113)

原発の論争となると、こういう冷静な議論はなかなか見られない。脱原発への反論にしても、タバコや自動車、CO2、飛行機と比較してリスクがないという言い方になりがちだ
その意味でも、本書で行なわれた対談は非常にいい仕事なのだ

池田信夫を知る上でも、この本は面白い
氏はNHK時代に20年以上に渡って続いた反原発運動を取材し、“リスク・ゼロ”を巡る電力会社と地元の不毛のやりとりを見てきた。その結果は今回、事故が起こった際の電力会社の混乱と住民の不信として表面化した
その経験が、脱原発に対する、時に感情的にも思える反論につながっているようなのだ。フクシマ以前は原発推進派でもなかったので、それ以後の変化にも腑に落ちる
原発以外にも、スマートグリッドといったエネルギー供給の新しいあり方などに触れていて、対談はどれも面白い。最近の新書にして、かなり賞味期限の長そうな良書だ
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コメント

脱原発に関する議論は、今、もっとも日本でさかんにされてるものですね。
自分には、どれが正しいのか判断がつきかねますが、結局は、原発の危険性をどこまで許容するかの問題なのでしょうね。
孫正義氏と堀義人氏の討論は、興味深かったです。
Re: タイトルなし
フクシマのことは、事故調査の結論が出ていないので、なんともいえないのですよねえ
津波で電源が落ちたことが原因だとすれば、電源の安全が確保されたところから、稼働させるのが合理的なはずです
しかし、政府の混乱をみると、他にも何かあったのか勘ぐりたくもなります
である以上、原発に反発する人がいるのも止む為しと思いますね

孫正義は再生エネルギーもさることながら、通信関連でも政府にすり寄っているのが気になります

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