『竜馬がゆく』 第3巻 司馬遼太郎

今日は昨日よりだいぶ気温が下がった
いい加減、春らしくなってくれ

竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)
(1998/09/10)
司馬 遼太郎

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蛤御門まではいかなかったが、3巻では久光が自家の攘夷派を討った寺田屋事件、英国人を殺傷した生麦事件と、着実に歴史は動いていく
志士として行動し始めた竜馬にとって大きいのは、勝海舟の出会い
竜馬も変人なら、勝も同じくらいの変わり種。千葉重太郎が勝を斬りにいくところを、止めるために弟子にしてくれと頼むとか、それを認めて勝も弟子するとか、出会いのエピソードはもう漫才を越えている(笑)
そんなわけあらへんやろ、と思うところだが、ちゃんと勝サイドの史料に残っているエピソードなのだ
半分くらい勝の法螺だったにしても、こういう面白い人たちが本当にいたのだ。いや、参ったな
竜馬の手紙や逸話は数多く残っていたらしく、司馬も詳しく触れていたら小説が終わらないと作中でも漏らしている
竜馬の生涯は、後数年で幕を閉じてしまうのに、幾らでも巻を重ねられてしまう。それぐらい濃い生涯であり、濃い時代だったのだ

本作の竜馬は、勝に会う前から海軍の構想があって、その技術を生かした海外交易・殖産興業を視野に入れている
勝との出会いは、夢想ともいえる構想を地に足をつけるもので、まさに雲を得て天に昇るといったところ
政治総裁職の松平春嶽を紹介してもらって、神戸海軍操連所の資金を出してもらうところなど、小説的に見えて史実だから困る(笑)。実際は五千両ではなく、千両の出資のようだがそれでも凄い大金である
こうして小説の中では、竜馬が大きな存在になってきたかのように見える
しかし、勝・春嶽サイドから見ればどうか
幕府側も井伊直弼のように攘夷派を力で弾圧しきれるとは思っていない。とすれば、何らかの懐柔が必要になる
そこで各地に操連所を作り血気さかんな志士を集め、具体的に軍艦を触らせることで鋭気を反らす。そうして海外の実情を啓蒙して、かつ海軍の建設に熱意をもってもらえれば一石二鳥だ
坂本竜馬は、不平浪人たちを集めて管理する旗頭として勝に見出されたといえる
作中では主体的に見えても、操連所時代の竜馬はまだ勝・春嶽の手のひらに踊っているに過ぎないのだ。志はともかくとしても

ついに本巻でおりょうさんも登場する
ヒロインがお田勢様から、おりょうに移る場面が秀逸
楢崎家の出火を知った竜馬は、中で脇差しを捜しにいった子供を救い出す。しかし、竜馬もまた自らの刀の大小を無くしてしまう。大小を持たない竜馬をからかうお田勢に、竜馬は「刀は魂ではなく、道具に過ぎない」。由緒ある武家で育ったお田勢との間にすきま風が吹いた瞬間、竜馬の大小を持ったおりょうが姿を現わすのだ
流れるように美しい政権交代である


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