『図解 ここまでわかる「ドラッカー理論」』

『もしドラ』アニメ化に関連して、富野監督が番宣でコメントされてたらしいのでミーハーに

図解 ここまでわかる「ドラッカー理論」 (ワニ文庫)図解 ここまでわかる「ドラッカー理論」 (ワニ文庫)
(2010/11/20)
前川 孝雄

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まず管理人が経済学部に所属していたのものの、経営学にはほとんど触ったことのない人間だと前置きしたい
で、その門外漢からすると、ドラッカーの言う経営学は、ゼロから企業の意義を考える哲学であり、利益を確保するより次のチャンスを積極的に窺う「攻めの経営学に映った
ドラッカーの言う企業とは、まず社会の公益になるものでなくてならず、企業を動かす利益はその次となる
こう書くと理想主義に見えるが、その裏側には厳しい認識がある。社会の公益に供さない企業は、とっとと潰れるべきだいうことなのだ
本書はドラッカーの多くの著作からいいとこ取りしたものなので、ドラッカーが常にこう考えたのか、あとで修正したものないのか、といった細かいところまでは分からない
しかし、時間のない人に7日に分けて読むことを想定していて、かなり分かりやすい作りになってはいる。ここぞとドラッカーの箴言が繰り返され、自然とそのエッセンスが入りこんでくるのだ
その企業理念から、人事の要諦までに及ぶドラッカー哲学の概観を掴むには悪くなさそうだ

今の日本企業にドラッカーの経営学が薬になるかというと、業種によって大きく幅がありそうだ
まずドラッカーが前提としている企業は、欧米のカンパニーであって、日本のカイシャではない
積極的に新規事業の可能性を探り大胆な人事をはかるやり方が、従業員の雇用を第一とする運命共同体的な日本企業の実情にあっているのかどうか
また、ドラッカーの企業モデルは、タテ社会の製造業というよりも、多様な専門家を要するサービス業、情報産業を主な対象としている。本書に書かれた提言が、果たして悩める中小企業を救う言葉となるかというと、怪しかろう
ドラッカー本人は、日本の長期雇用のシステムを評価していたというが、その割に「過去を捨てろ」という言葉が何度も引用される。従業員の解雇は社会の公益に反しないのか、という点に触れないのは、編者たちのバイアスを感じるところだ

本書の少しいけないところは、ドラッカーの経歴に全く触れていないところだ
経営学の祖」、「マーケティング」や「イノベーション」という概念を作り出しただけでは、漠然としてイメージが湧かない。普通の人にとって、誰やねんである(笑)
オーストリア生まれのユダヤ人で、ナチの迫害から亡命し、ケインズの講義を受けたとか、wikiにあることぐらいは紹介できなかったものなのか
ちなみにドラッカーの「仕事」と「労働」の概念は、アーレントの影響を受けたぽいのでどれが「job」で「labor」なのか、英語かカタカナでちゃんと表わしてもらいたかった
といっても、電車の狭い空間で立ち読みする会社員に悪い本ではない。良くも悪くも「商品」に徹した本だ


本書の参考文献で気がついたことがある
ドラッカー関連のほとんどがダイヤモンド社から出ているのだ
ちなみに『もしドラ』こと『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』も、ダイヤモンド社である
しかも、ダイヤモンド社とドラッカーの関係は今始まったものではない
日本の高度成長期である1960年代から50年(!)に渡って、その著作を出版し続けているのだ。それも昔の本の再版だけではなく、その時々の新刊もだ
つまり昨今のドラッカーブームは、一過性のものではなく、半世紀に渡る歴史の末に噴き出したものだったのである
ちょっと舐めてたね
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