『五輪の薔薇』 Ⅰ チャールズ・パリサー

文庫にして全五冊。今月中に読み終えたいが

五輪の薔薇〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)五輪の薔薇〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)
(2003/03)
チャールズ パリサー

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19世紀初頭のイギリス。ひっそりとした邸宅で隠れるように暮らしていた少年ジョンは、ある日有料道路を走る馬車を見かける。その馬車の紋章には、自分の家にもある“五輪の薔薇”を模していた。それ以前から、身の回りの異変を感じ取った彼は、自分の出自や父の謎を解くべく、禁じられた外界を抜け出していく。しかし、その一方で、彼と母親を狙う者たちが陰謀を張り巡らせていて・・・

とりあえず、隠棲させられている少年が自らと一家の謎を追いながら、様々な苦難に立ち向かっていく冒険ミステリー、と言っていいだろうか
第一巻は、少年と母親を破滅に追詰める詐欺事件が中心で、近代イギリスと舞台にした“ナニワ金融道”ならぬ“ロンドン金融道”と言えなくもない(笑)
作品世界はディケンズを超える」という煽り文句もあって、構えて読んでしまったが、多くの文章は主人公である少年ジョンの視点でそれを反映してか、センテンスが短く簡明。下手な日本の小説より読みやすかった
原文の文体もさることながら、英訳と日本語の親和性というのもあるのだろうか

訳者のあとがきにもあるように、歴史資料を駆使した19世紀イギリス社会の描写がいい。少年視点であるので、特に説明文として明示されず、さりげなく挿入されているのがまた心憎い
読んでいてまず目に止まったのは、高速有料道路の存在だ
地方とロンドンを結ぶべく舗装された道路で、敷き詰められた石をコールで固められたしろもの。いわば、現在のアスファルト道路の走りなのだ
自動車が登場する前、馬車が主役の時代にこういう現代的な道路があったというのは初耳で、産業革命期のイギリスと身近に感じてしまった
ちなみにこの有料道路は、どこかの国の高速道路とは違って建設費用を回収したところで無料となったらしい

このシリーズ、なんと12年間(!)も準備して書かれたという
“五輪の薔薇”は、五弁の薔薇をモチーフにした五つの家系を表わしていて、それが五代に渡って繰り広げた暗闘が絡むというのだから、設定のボリュームも桁違いなのだ
なにせ読者に配慮して、各巻には登場人物だけの小冊子までついている!
これからどんだけの謎が絡んでくるのであろうか
一巻のジョンは賢児(かしこ)ながらまだまだ子供。母親は善良すぎて頼りにならず、敵は名うての詐欺師たちだ
敵うはずのない勝負だが、敵にも複数のグループがいてライヴァル関係にある様子。そこをどうくぐり抜けていくかが今から楽しみ

次巻 『五輪の薔薇』Ⅱ
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