『さよならジュピター』 小松左京

宇宙というと最近、話題になったのは「はやぶさ」ぐらいか
どうでもいいことだが、野口さんはフクシくん(落合jr)に似てると思う

さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)
(1999/05)
小松 左京

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さよならジュピター〈下〉 (ハルキ文庫)さよならジュピター〈下〉 (ハルキ文庫)
(1999/05)
小松 左京

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22世紀。火星で宇宙人のものと思われる“地上絵”が見つかった。絵に秘められたメッセージの解読にあたったバーナード博士は、木星にも宇宙人のメッセージが存在するとして、太陽系開発機構ミネルヴァ基地所属の本田英二に協力を要請する。本田英二は外宇宙の開発を進めるため、「木星太陽化計画」を担当していた。やがて「宇宙メッセージ」の解読が進むに連れ、恐るべきニュースが飛び込む。太陽に向かってブラックホールが直進し、太陽系が2年後に滅んでしまうというのだ・・・
いかにブラックホールを回避させるか、というSFクライシス小説なのだが、そこは『日本沈没』小松左京
宇宙開発を主体的に行う太陽系開発機構と、地球を代表する世界連邦政府内の各派との駆け引きが展開される政治劇もあれば、ミニマムには主人公たちの恋愛あり。多くの登場人物たちそれぞれの物語があって、壮大な群像劇をなしているのだ
特徴的なのは、未来になっても宇宙に行っても、人間の存在そのものが特に変容しないこと
あくまで人間は現在の延長にあって、政治的意識は変わっても人間関係そのものは変わらない。作者の未来に対する信頼、人間に対する信頼が表れていて、すこぶる読み心地がいいのだ
まず作者自身が加わった映画の企画ありきからスタートし、前倒し的に小説連載が始まったことから、ややぎこちない展開(地上絵の解読前にブラックホールが判明する)もあるし、最後のテロリストたちもこぢんまりし過ぎた嫌いはある
それでも、太陽系を舞台にした壮大なスケールには圧倒され続けた。文字どおり大作なのである

SFゆえに科学の専門用語が次々と飛び交い、読む気力がクールダウンしてしまうところも多い(知的好奇心から沸騰するところもあるが、長く続くと頭の活動限界が・・・)
本作にはそうした冷めたハートを呼び覚ますように、幾つか人肌にこだわった箇所がある
なんといっても、序盤の本田英二とマリアのラブシーンだろう!
ここだけ抜き出せば、ほぼ官能小説(!)という描写で読者に熱い気持ちを呼び起こすのだ。よく普通の週刊誌でやったものだ。SF史上、最長の濡れ場ではあるまいか(笑)
しかし、ただ娯楽性のみでこの濡れ場は置かれているわけではない。序盤の内に分かりやすく、たとえ時代が変わっても人間の存在にある根底のものは変わらないという世界観を読者に知らせているのだ
おかしな人たちもいるにしても、出てくる人間はほぼ健全である
政治の世界では90代の政治家同士が面と向かって丁々発止のやり取りをするし、宇宙で作業する人間は病んだりせず任務に対して果敢で献身的だ。健全な人間だからこそ、起こす対立、問題にも触れていて、ややアメリカ的なドライさが目立つものの、温かみのあるドラマが展開されていく
ブラックホールは来るが、明るい未来なのだ

読んでいてまず連想したのは、ガンダムである
人間の存在こそ変容しないものの、地球人類と宇宙人類の対立木星・火星・地球・月と太陽系全体と舞台とする設定・・・地球にはエコロジーな宗教団体があって、主人公の恋人マリアなどは逆シャアのクリスチーナたちとだぶって見えた
本格的に木星で活躍するガンダムはまだない(クロスボーンはあちらから地球にやってきた)ので、木星帝国などをネタに誰か作ってくれないだろうか
太陽系は広い。まだまだやれることは一杯あるぞ


スターウォーズの影響何か日本でもSF大作を作れないか、と打診を受けて企画を練られたのが本作
巻末のあとがきと対談にその経緯が詳しく述べられている
パソコンがまだ出たてで企業にあるスーパーコンピューターを使ってCGを作ったとか、アメリカにある部分のCGを発注しようとしたら費用が高すぎるのでNASAから木星の映像を借りたとか、興味深い話題が綴られている
当時のSF映画の製作現場を知る上でもちょっとした資料だと思う
映画はそれほど当たらなかったそうだが、チェックせんとなあ
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