『「世界征服」は可能か?』 岡田斗司夫

日本は残念ながら、WC八強入りを逃した
しかし、強豪パラグアイに対してPK戦にまで持っていけたのは大したものだろう
戦術的にはパッとしない代表チームだったが、作戦以上に大事なスピリッツを持っていた
本大会の経験は日本サッカーにとって大きな収穫をだったが、協会の体制が快挙に甘んじて硬直しないことを祈る

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)
(2007/06)
岡田 斗司夫

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アニメや漫画の悪役がよく口にする「世界征服」。しかし、実際の「世界征服」とは何なのであろうか
本書は読者に「世界征服」を目指す独裁者の気持ちになってもらい、独裁者のタイプ、目標に対する準備、戦略をアニメ、漫画、特撮といったメディアをネタにしつつ現実的に検討する!
と、あらすじを書いてみたが、かる~いネタ本なのであった・・・Orz
そもそもが著者が主催したトークショーが元ネタであり、あまり現実の世界を考えようなんて話ではない。いや、それを視野に入れたように色んな議論を噛ませてはいるが、付け焼刃のレベルなのだ
だいたい、そういうことを真剣に考えたい人は対象外ということなのだろう
普段そうした社会問題に触るのが億劫で、サブカルからネタ的に入りたい人にはこれでいいのかな

本書の「世界征服」に対する検討はかなり粗い
レインボーマン、バビル2世、DB、北斗の拳・・・と幅広くネタを拾っていて面白くあるのだが、執着の薄い作品に対しては残念な読み方をされている
代表例はサウザーと聖帝十字陵だろう。著者は聖帝十字陵をこだわるサウザーを「世界征服」の視点からは合理的ではないとする
しかし、作品をちゃんと読んでいれば、サウザーがある程度征服をなしとげた時点で為したかったのが聖帝十字陵の建設だと分かる。下手すれば、これが征服の第一目的かもしれないのだ
著者は資本主義の視点、功利主義的な立場から独裁者に茶々を入れているが、その功利主義が独裁者、秘密結社への理解を妨げていると思われる
多くの作品に登場する秘密結社の源は、19世紀の政治結社であったり20世紀の共産党、ナチスだったりするのだが、これらの結社は世界の価値体系の変革を志している。既存の資本主義をひっくり返そうというのだから、あの秘密技術を表で使えば億万長者になれるという冷やかしは秘密結社にとってなんら痛痒を与えないのだ
自身、「ぜいたく」のために世界征服を志すタイプと称する著者には、世界の価値をひっくり返すなどアホとしか思えず、本気で考える気にもなれないのかもしれない

そうして功利主義の姿勢は、現実社会への検討にも現れている
例えば、独裁者が好きに作った映画よりも、ハリウッドのような競争社会で作られた映画の方が面白く、民衆もそちらに流れるから今どき独裁は成り立たないという議論
しかし、まず表現の自由を制限して見られなくしてしまえばいいし、そういう環境になれば既存の映画が面白さの尺度になる。情報社会がそれを許さないといってもネットの検索に介入すれば、無問題だ
また、視聴者の価値観をそのものを教育で洗脳してしまえば、ハリウッド映画は腐敗した世界ものだと認識させることも可能だ
著者は資本主義、アメリカ的価値観を自明ものとしすぎて、「洗脳」の力を甘く見過ぎている
人の生理に反した押しつけ、矯正はいつか破綻するものだとしても、独裁者やそのイデオロギーを信じて本気で戦っちゃう人がいることを侮っていけない

ここまで反面教師的に思考実験できれば、買った甲斐はあったのだろうか
正直、著者が独裁の危険を軽視しすぎているので、全体的に緊張感がないのが残念だった
日本の文化に独裁はないが、翼賛はあるのだぞ


そもそも、競争社会なら面白い映画が作れるというのは、本当だろうか
学生時代に教授の勧めでソ連映画を見まくった時期があったが、イデオロギー臭に耐えれば充分鑑賞耐えたし、名作と呼べるものもあった
なるほど競争は映画を産業たらしめるかもしれない。しかし、それが即、名作につながるわけでもない
ハリウッド映画はある程度の質を保っているが、最近の邦画などを見ると、下の競争をしているようにしか見えないのだ
逆に中東中国とか表現の自由に難があるところの方が、神的な作品が飛び出したりする。独裁権力との戦いで表現者が鍛えられている部分もあるのだろう
だからって、面白い映画を見るために、自由を制限して欲しいとは思わないが
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