『妖人白山伯』 鹿島茂

本書には、ガチホモ成分を多数含んでおりますので、ノンケの方は用法・容量をよく確認のうえご覧下さい(笑)


妖人白山伯 (講談社文庫)妖人白山伯 (講談社文庫)
(2009/03/13)
鹿島 茂

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維新後のパリ日本大使館。後に総理大臣となる原敬の前に謎の紳士が現れた。男の名はモンブラン伯爵(漢名・白山伯)。幕末に日本とフランスを股にかけた伝説の大山師で、過去の経歴を生かして最後の大勝負に出ようとしていた。原敬はモンブランの手玉にとられながらも、その真意を探ろうとするが・・・

幕末の日本と諸外国で暗躍した実在の策士を描く歴史小説。冒頭に山田風太郎に捧ぐとあるように、風太郎の明治ものを意識した小説で、実在の人物、またその子弟を絡めて、史実と想像が違和感なく混ざり合っている。読んでいけばいくほど、どこまでが史実か虚構なのか分からなくなってくる構成なのだ
いわゆる史実の隙間を想像で埋めたという程度ではすまなくて、隙間の出来事が史実の解釈をひっくり返してしまう(!)ほどである
そんな馬鹿な、と思っても後で、モンブランが回顧録を書く話が出てくる段には、幕末の話はモンブランの法螺という解釈ができるようになっていて、さらに真実がなんだったのか分からなくなってくるから困る
娯楽小説としては、最後の対決が理性的過ぎて盛り上がりにかけたが、そこにたどり着くまでにモンブランの武勇伝と作者の博識に飽食気味なっているので、ちょうどいい締めに思えた
本当に上手い落語を聞くとオチがどうでもよくなってしまうのと似た感覚

冒頭にも注意書きを置いたが、この本はガチホモだけではなく、ありとあらゆるエロが横溢している
普通の作家だといかにも過激な演出を誇示したように描いたりするところ、本書は日常の延長でひょいと自然に非日常的な空間を作り出してしまうのが凄い。いきなり道端を歩いている人にイチモツを見せられたような勢いなのだ
棚からエロというノリなのだが、これはこれで当時の風俗の感覚に近いとも思う。今の我々から見て過激に感じることも、昔のある場所は敷居が低かったのだ
こういう時代の空気を自然に描いてしまうところは、さすがはフランス文学とエロの第一人者である
蘊蓄ばかりの歴史小説は頭でっかちで入りにくくなるが、エロの世界を踏まえたことで読み手の心身に直接に訴えてくるものになっている。いや、分かってらっしゃる

解説の人が指摘しているように、日仏の著名人が史実に沿って姿を現わすのが面白い
アナトール・フランスボードレールシーボルト高橋是清大久保利通黒岩清輝・・・と数え上げればキリがない。そういう人間たちが大胆にモンブランと絡ませるのだから、歴史小説好きとしてはもうたまらない
一番驚かされるのは、ふらんすお政」のお色気無双だろう。あれこれといろんな男性と関わりをもって、最後は井上馨夫人におさまる(!)
明治の元勲の夫人って、芸者上がりで出自が怪しい人が多いから、ありえなくもないんだよねえ
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