【DVD】『スターシップトゥルーパーズ』

ハインライン『宇宙の戦士』の実写映画
パワードスーツもモビルスーツも出てきませんが

スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]
(2006/01/25)
キャスパー・ヴァン・ディーンディナ・メイヤー

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未来の地球には、兵役を受けたものだけが市民権を得る社会が築かれていた。市民権に関心のなかったリコ(=キャスパー・ヴァン・ディーン)は、最愛の女性カルメン(=デニス・リチャーズ)が希望したことから、釣られるように軍に入隊する。しかし、彼が配属されたのは機動歩兵部隊で、カルメンは艦隊の操縦士。ビデオレターでしか会えない日々が続いて・・・
ストーリーそのものはわりあい原作に忠実で、エイリアン相手に戦争を遂行する側の論理で展開されていく。厳しい教官が実は頼りになる軍人だとか、次々と起こる自己犠牲的なシーンは一見、戦争や軍を美化しているかのように見える
しかし、冒頭などの要所で、軍の広報形式の演出が為されて、視聴者に強い違和を与えてくる。虫を子供に踏み殺させて母親が喜んでいるシーンなどは、戦時宣伝の異常性を風刺しているかのようだ
ラストも軍のCM形式の締め。この映画の映像そのものが、実は戦争を美化したプロパガンダ映画であると暗示している
原作を損なわずに反戦映画へアレンジさせるという、なかなかひねくれた作品なのだ

ひねくれてはいるが、セックスとバイオレンスに満ちており、娯楽作品として頑張っている
主人公が女に追いかけられるほどモテモテで、最後はちゃんと最愛の女性とよりを戻すとか、軍のシャワーは混浴状態(!)とか、見事なほど男の妄想を追いかけている
なにせ、見事に“おっぱいぷるんぷるん”なのである。つい入隊したくなってしまった。なんて、プロパガンダなんだ(笑)
アクション面では、パワードスーツなくて現実の海兵隊みたいな装備で戦うとか、SF考証面の寂しさはある
しかし、過剰ともいえるグロシーンが、まるで日常かのように無造作で出てくるのには圧倒されるばかり。一部自主規制(笑)は為されるが、人によっては目を覆うシーンばかりだろう
ただこれは戦場の残酷さを強調する演出であって、視聴者へのいい意味の嫌がらせ。少なくとも中に入って戦ってみたいなんていう感情を一切吹き飛ばしてくれるだろう

B級テイストで軽く見える作品ながら、裏にははっきりした作り手の意志が見えた。『チェチェン・ウォー』もそうだったが、映画は見かけ、評判だけでは分からない
見た人にだけその味が分かるという、「B級グルメ的作品」といえるかな


この映画では原作の思想は語られない
たしか原作で語られた体制は、単純に右翼的、軍国的な思想ではなかったはずだ

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))
(1979/09)
ロバート・A・ハインライン

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軍が強い影響力を持っているものの、徴兵制ではなくあくまで志願制
しかも、軍人がそのまま政治の実権を握るのではなく、2年間の兵役を経て退役したものが市民として政治に参画する
原作は共和政のローマ市民に近いものを近未来(現代)に想定して仮構して、国家と国民の関係を問うものだった。戦前日本の軍国主義ともかけ離れているし、書かれた当時は徴兵制の国も多かったから、体制そのものはそれほど右翼的なわけでもない(何をもって右翼というかという問題はあるが)
問題はその悲観的なストーリー展開冷戦の影響でハインラインが絶望を抱いたのか、会話不能なエイリアンとの総力戦に発展し、とにかく戦わないと仕方がない状況になる
ここまで大戦争になると、どんな体制でも軍の論理が先行して軍国化するのは明らか。これだとせっかく仮構した制度の意味がなくなってしまう
シンプルな戦争ものにまとまってしまったのが残念だったなあ
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