『理性の限界』 高橋昌一郎

2ちゃんねるへの6日の攻撃はなかった様子
FBIが動いている状況だから、それも当然か

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
(2008/06/17)
高橋 昌一郎

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人間の理性の限界はどこにあるのか。多くの専門家を集めた架空のディスカッションを行い、「選択」「科学」「知識」の各ジャンルでその限界点を探る
ディベートというか座談会形式で進む。登場人物がやけに多く“理性の限界”という主題から脇に逸れるウンチクも多い
ただ単に茶々を入れるだけの過激派(笑)が数名混ざっており、おかげで話の腰を折ること度々だ。著者はユーモアのつもりでこうした演出を入れたのだろうけど、かえって読みにくかった
ウンチクそのものはどれも面白い(カントが銀河系の形を提唱したなんて話は初めて聞いた)。著者の博識には恐れ入る
しかし、難しい話の途中で、重いウンチクを入れられるとこちらの頭のメモリーがパンクしてしまう(笑)
登場人物を6~8名ぐらいに絞って、ストレートに主題へ入ってもらった方が分かりやすかったと思う
本書は主題に入る前の前座やウンチクが濃すぎて、新書にしては飽食気味だあ~

選択の限界」の章では、まず選挙制度の欠陥を取り上げ、「アロウの不可能性定理」を紹介。それは完全に公平な投票方式は存在せず、完全民主主義もありえないという結論だった・・・
また、個人レベルに関しては、「囚人のジレンマ」「ゲーム理論」から合理的選択の限界を論じる
囚人のジレンマ」形式のゲームでは「しっぺ返し戦略」(米ソの核戦略!)が有効だったが、両方が裏切ると最悪の結果となる「チキンゲーム」では、より非理性的な側が勝利する!

科学の限界」の章では、ニュートンの物理学の成立から始まり、アインシュタインの相対性理論、そしてハイゼンベルクの「不確定性原理」に入り、量子学によって開かれたミクロの神秘を語る
ハイゼンベルクの「不確定性原理」とは、人間の観測には越えられない限界があるということ。例えば、人間が光の反射を通して物を見る以上、ミクロの世界ではその光なり電子の影響を受けると対象の性質が変わってしまうことがある
量子学の世界では、電子は「」であり「粒子」でもあるとされ、一つの概念では捉えきれない。ただ単に「人間による観測の限界」ではなく、人が知覚しきれる性質のものではないという話なのだ(合ってるかな?)
実験結果が予測できない「神がサイコロを振る」という話から、「シュレディンガーの猫」に入って「多世界解釈」の考えもありうるという量子学。科学は極めるとファンタジーの世界に入ってしまうのか

知識の限界」の章では、論理学から言語や数学の限界を論じる。数学は多くの科学分野の基礎となっているから、その限界はそのまま科学の限界になり、人間の表現形式の限界は人間理性の限界となる
ゲーデルは「述語論理の完全性定理」と「自然数論の不完全定理」を証明した。なんこっちゃサッパリだが(汗)、論理の世界では「真理」と「証明」が同等でも、数学の世界に入るや「真理」と「証明」が同等ではなくなるという
冒頭のスマリヤン教授の例は理解しやすくても、そこに隠れている数学の奥行きには驚く。完全無欠に見える数学がこんなに怪しげな分野だったとは・・・
うっ、これ以上はなにも書けん。うわらば(爆

タイトルは「理性の限界」となっているけど、扱っている範囲は想像以上の広さだった
特に「論理の限界」の章は、入りやすい割にその奥はまさに底知れぬ深淵。読んでいて底なし沼に沈み込んだ心境になった
他の章は固有名詞を追いつつ、文章からだいたいこんなもんやろうと幾ばくか理解できたのだが・・・
文系一本で大学に入って、数学的なことはすっぽかしてきたツケである。数学も立派な表現形式なのだ。ちゃんと勉強すべきだったな
「自分の知性の限界」を試される新書でしたな、ハハハ

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まさか、作中のスリヤマン教授が実在の人物だったとは・・・
そして著者がその著作を翻訳までしているとは、面白い人みたいだし自叙伝ぐらいは読もうかしらん
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