【DVD】『リクルート』

どうしても就職情報誌を思い浮かべてしまうが、実はスパイ物

リクルート [DVD]リクルート [DVD]
(2005/07/06)
アル・パチーノコリン・ファレル

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就活をしていたジェームズ(=コリン・ファレル)に謎の男が近づく。その男バーグ(=アル・パチーノ)はCIAのリクルーターで、ジャームズの素質に目をつけ彼にCIA入りを誘う。最初はまるで乗り気でなかったジェームズだが、事故死した父親の話を持ち出され、惹かれるように採用試験を受けるのだった。しかし、新人研修では想像を越える虚実入り交じったテストが彼を待っていた
この映画のウリは、CIA広報の全面協力を得て作られたこと。前半では、その採用、人材育成のプロセスをリアルに再現されている(リアルといっても、CIAがどこまで手の内を明かしたかは分からんが)
ただ後半は正直言って地味な展開だ。親父の件を追って海外へ行くこともなく、主人公は国内で二重スパイの内偵に専念するのみ
駆け引きは面白いし登場人物をうまく使って飽きさせないのだけど、CIAの名前の割にはコンパクトにまとまりすぎた嫌いがある
悪役の動機もせこいし、この筋ならCIAを使う必要もない
映画にはトリックだけでなく、華もなくちゃいけないのだ

CIAの訓練で目がつくのは、心理面のテスト
表の作戦に言い渡されても、裏では本命の作戦が進んでいて、表の要員のトラップになっていたりする
詳しく書くと面白さ半減なので自重するが、アルパチーノが繰り返す「世の中はうわべどおりではない」の台詞の通り。カイジのカードじゃんけんのように、気づきのゲームの連続なのだ
ソ連のスパイが西側に亡命した際に、MI-6だかCIAだかがソ連の報復部隊の振りをして襲わせ、亡命者が二重スパイか判別したなんて話もあるから、映画ぐらいの訓練は実際にやっているのだろう
佐藤優の本を読んでいても、情報戦には物事の表裏を読む力が問われるというのは分かる
後半の地味さもリアルな考証の裏返しとも言える。しかし、なあ・・・

いまいち乗れなかった理由の一つに、主人公の鈍くささがある
単純に能力的には抜群でも、スパイ向きには見えない。クールに物事を受け止める強靱さが表現されていない
研修所の心理テストではフルボッコ状態(笑)で、素質を買われているのが不思議でならない。もう少し、序盤で聡く見える演出を入れてもよかったんじゃないかな
スパイ映画のヒーローとしては頼りな過ぎだぞ


研修中にアル・パチーノがCIAの意義を語る。これがまた、国の内外は敵ばかりという、病的ともいえる閉鎖した世界観なのだ
これを聞いてアーレントの「アラビアのロレンス」に触れた箇所を思い出した
ロレンスのようなスパイは帝国主義が生み出した「官僚的人間」で、国家が世界大で演じる「大いなるゲーム」も身を投じ、そのゲームにいる間はゲームの意義を疑わない。彼らはゲームが存続するために延々とゲームを続ける
それこそ運動のための運動なわけで、全体主義の性質と大いに被ってくる
CIAの協力を仰いでいるだけあって、表だって存在を正す箇所はほとんどない。このアル・パチーノが行う講義の異常さが唯一、諜報機関への批評性を発揮していた

まあ、これが公的な協力を得た際の限界なのだろう。CIAからすると、映画はイメージアップの一環なのだ
そう考えると、『亡国のイージス』に協力した自衛隊は凄いというか、適当だ。あれって、自衛官が反乱起こしているんだぜ(笑)
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