【DVD】『ヒトラーの贋札』

最近我ながらマンガと映画の記事ばっかり・・・

ヒトラーの贋札 [DVD]ヒトラーの贋札 [DVD]
(2008/07/11)
カール・マルコヴィクスアウグスト・ディール

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ユダヤ人で天才的な偽造の名人であるソロヴィッチ(=カール・マルコヴィクス)はナチス政権下の当局に捕まり、強制収容所に送られる。地獄の日々を送る彼は、突然ザクセンハウゼンの収容所に移送されることになった。移送先に待ち受けていたのは、彼を逮捕したヘルツォーク少佐(=ディーフト・シュトリーゾフ)。史上最大の偽造紙幣作戦、「ベルンハルト作戦」の始まりだった・・・
偽造に任されるユダヤ人ナチスの協力者ということで収容所の中でも優遇されている
しかし、一歩でもナチスの規範から外れれば確実に死が待っている。アウシュビッツが文字通りの地獄なら、ザクセンハウゼンは生煮えの煉獄と言えようか
各地から集められたユダヤ人たちは当然ながら寄せ集めの集団ブルガー(=アウグスト・ディール)のようにナチへの協力を潔しとしない者もいれば、ソロヴィッチのように生き残るためには当然と躊躇しない者もいる
最後まで雑然とした集団に終り、「同じ同胞だから助け合おう」なんていう民族感情は表明されない。あくまで生き残るための薄い連帯
結局、この時代の「ユダヤ人」はナチが規定した概念にすぎなくて、実態から遠く離れていたことが良く分かる

印象深いのが、ソロヴィッチがヘルツォーク少佐の屋敷に招かれるシーン。そこで幸せ少佐の妻と小さな子供が紹介される。ユダヤ人には容赦ないナチ将校も家ではごく平凡な家庭人だった
彼は元・共産党員と告白し、「必要とされる場で務めるだけだ」と言う
いわば、ユダヤ人迫害は自分の信条ではなく、上から要請されたからやっているに過ぎないと表明しているのだ
アイヒマンに代表されるような、こういう神経の人間がホロコーストを大規模なものにしたことは良く知られている
アーレントが言っていることがそのまま映像化されていて、ちょっと驚いた

こういうユダヤ人の視点からナチの迫害を描く映画は多いが、この映画が面白いのはユダヤ人の主役を筋金入りの悪党にしたところだ。まるで反ユダヤ主義のユダヤ人像そのままなのだ(笑)
オーストリア人の監督さんが作った映画でこれができたのだから、随分この問題も柔軟に扱われるようになったもんだと思う。時代も変わるんだ
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