『PLUTO』 第8巻 浦沢直樹

いよいよ最終巻

PLUTO 8 (ビッグコミックス)PLUTO 8 (ビッグコミックス)
(2009/06/30)
浦沢 直樹

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6人の最強ロボットが倒された後、アトム天馬博士の策略により復活。地球滅亡を防ぐべく、プルートとの最終決戦に挑む
残されていた謎は一気に明かされ、ラストは奇麗に収束。かなり思わせぶりな演出で話を引っ張っていたので、それなりの展開が用意されていると思っていたから、正直拍子抜けしてしまった
作者が描くキャラが必要以上に怪しすぎるからだろう(笑)。ついついサプライズを期待して、いつも騙された気になってしまうのだ(こっちの勝手ではあるが・・・)
作者は自分で話を組み立てられる人だけど、ラストのとってつけたような決着を見ると、本来は原作付きの方がいいのだろう。『20世紀少年』にしろ、この『PLUTO』にしろ、本人のやりたい話が高度過ぎて、うまく組み上がっていない
ゲジヒトを最終巻前に殺すのは早かった。あそこまで頑張って、最後はアトムに全部持って行かれるってのはなあ
それならアトムの出番をもう少し増やして欲しかったよ

イラク戦争やテロを意識した、シリーズの主題は最後に見えてきた。ひと言でいえば「憎しみの連鎖をいかに断ち切るか」ということだ
憎しみから解き放たれたロボットが自己犠牲で世界を救うなんて、いかにも手塚らしいラスト。原作のアトムを読んだわけではないが、この部分はおそらく原作そのままなのだろう
怨念を自己犠牲で乗り越える、ケリをつけるというストーリー手塚作品に頻出する
同じく憎しみを受け止めたアトムがそれを乗り越えるところは出来すぎで、もう少し一波乱欲しかったが、原作があることを考えると仕方ない?
また、実際の中東情勢やテロから見ると、作品世界は少し反米色が強い国際政治では高度な技術はすぐさま軍事転用されるのが常識であって、純粋平和利用なんてのは日本のみと言っていい。いや日本の技術ですらハイテク兵器の進歩に貢献してしまった歴史がある
架空のペルシャ王国が「砂漠の緑化運動やってただけです」という設定は、トラキア合衆国の悪業を引き立たせる上で有効な演出であるが、ちょいと都合が良すぎるだろう
現代の国際情勢とだぶって語られると、その部分がどうしても気になってくる

とまあ、あれこれ書いたけど、一冊のマンガとしてはかなり楽しく読ましてもらった
浦沢直樹の描くアトムは、かなり魅力的な少年。普段は可愛いがいざ戦いに入ると勇ましく、これ一作で終わるのは惜しいほど
次もこういう少年が活躍するマンガを書いてもらいたいなあ

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一冊一冊ごとは楽しく読ませてもらったが、全体ではどうだったかな
謎で話を引っ張っていく浦沢直樹に、アトムは向いていない題材だったような気がする
最終巻とそれまでの7巻までのリズムがどうも合っていない
ロボットと人間が対等に暮らしてる社会の不自然さも、どこかで突いて欲しかったな
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