『逆説の日本史 12 近世暁光編』 井沢元彦

逆説シリーズの第12弾

逆説の日本史 12 近世暁光編 (12) (小学館文庫 い 1-21)逆説の日本史 12 近世暁光編 (12)
(小学館文庫 い 1-21)

(2008/06/06)
井沢 元彦

商品詳細を見る


サブタイトルが「天下泰平と家康の謎」で、時代は関ヶ原の戦いから家康による幕府支配の基礎固めまでを扱っている
集英社刊『日本の歴史』シリーズに突っ込みつつも参照していくので、裏本的存在になっている『日本の歴史』シリーズが読みたくなってくるw
関ヶ原の戦いから本願寺の分断までについては、大概言われてきたことを書いてる感じ。関ヶ原については、昔からいろんな人が小説や歴史関係のムックに書いてるし、もう言い尽くされているのかな
大谷吉継が西軍に荷担した動機で何か出てくるかと思ったが、特になし。単に石田三成との盟友関係だけで、自分の家を潰してしまう決断するとも思えないんだが・・・
家康が本願寺の勢力を分断しようとしたことは、「信長の野望」のデータ集にも載っていた。これぐらいのことが、学界ではっきり言われないことの方が疑問だ

逆説シリーズの価値は、その当時の価値観に立って歴史を見てみようとしているところ。特に当時の「宗教意識」を踏まえて、各時代の出来事を再検証しているところは読み応えがあった
本巻に関してそういう箇所は少ないが、部落差別の起源については著者のこだわりもあってか、意外に紙数が割かれている
家康の謀略説というのは、いかにもマルクス主義的な考え方であって、日本人の「宗教意識」である、ケガレ思想こそ根源とのこと。部落差別が西で強く東で弱いのは、「農耕民の弥生人が狩猟民の縄文人を東に追いやったためでは?」という指摘は目から鱗だ
著者の宗教に対する認識がどれほど正しいか、僕には到底分からない。だけど、歴史に史学者たちが扱いかねた「宗教」をぶつけるところは、いい意味で挑発的。これからも注目したい

とここで締めたいところだけど、もうすこし
関ヶ原や大坂の陣の項では作家としての欲が出るのか、随分思い切った断定が出て来た
風説かもしれない話を特に根拠もなくおそらく実話と言い切ったり、秀吉が家康に大坂城の攻略法を教えたとか、もうね
結果から風説を最もらしく作るなんて、昔の人でも当然やることだろう。意識的にも無意識的にも
「史料がないから真実ではない=バカ」は一理あるが、大坂の陣の項ではやりすぎちゃったかな
意図的にレベルを落として分かりやすくしているところもあるだろうけど。これじゃ、インテリ講談ならぬオヤジ講談だw
親しみやすいんだけど、本シリーズの印象を自ら崩しているのがちょっと、残念。いいこと書いてるのに、安っぽく見えてしまう
でも、日本の朱子学を「ビーフカレー朱子学」と喩えたのは、秀逸な表現だった


*2012’07/13 再構成
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
SF (24)
RSSリンクの表示
リンク
FC2 Blog Ranking
ランキング
アクセスアップ!?
検索フォーム
はてな
この日記のはてなブックマーク数
タグランキング

サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。