第9巻。闇医者・關志玲の元に、関東軍の憲兵が乱入! 名乗り出たリンともども、さらわれてしまう
長谷川伍長は日方勇の居場所を吐かせるために、リンを「スカベンジャーの罠」の拷問を仕掛けた
一方、關に対しては恩師のノーマン・バーチをチラつかせて、旗人の召使いをしている実弟を探させる。その弟とは、勇の作った阿片をさばく昊天だった
吉林編も一気の展開
關が尋問を受けるところで、彼女の半生が振り返られる。両親を早くに亡くし、弟を旧旗人の召使いとして、自身は街へ出て娼婦に落ちる
客ともめたところから、背中を刺されるが、それを助けたのが共産党の支援要員として潜入していたノーマン・パーチだった。彼から医師として教えを受け、居酒屋で闇医者を営むにいたったのだ
ノーマンの件では覚悟を決めていた彼女も、実弟の昊天が捕まったことには衝撃!
麗華は昊天が捕まったことから、勇を連れて脱出を図るし、キリルとバージルだけで救えるのか!?
リンの覚悟はフラグを立てたような描写であったが……
第10巻。キリルとバージルは、悲しむ關の患者に武器をもたせて、警察署を襲撃させた!
その隙にバージルは憲兵の制服を調達し、關姉弟を救出する
勇は吉林から脱出するために、牛糞のなかへ隠れるが、「リンや關を残せない」と引き返す。ここにおいて、勇は麗華へ「自分がボスだ」と宣言した
一方、吉林内に勇がいると悟った長谷川伍長は、冷静に包囲網を敷く
兵隊経験者はいるとはいえ、いきなり民間人に銃を持たせて動員とは!
そして、警察署への襲撃をボヤ騒ぎのように扱って、憲兵隊を温存するとか、リアリティに欠ける場面がある
そんな粗さは目立つものの、作画の構図は決まっていて、魅せるアクションをやり切れている
長谷川と凡さんの回想については消化不良だが、それほど需要がないから問題なしだろうか(苦笑)。戯画的に描かれてきた長谷川が、珍しく崩れた瞬間であったが
ラストは熱河で出直す勇たちに謎の一団が。いったい何が始まる?
前巻 『満州アヘンスクワッド』 第7巻・第8巻