いけませんな
第12巻。兄・篤を失った明たちは、師匠に連れられ島の学校跡に逃れる。そこには、篤がともに吸血鬼の首領・雅の秘密を追っていた師匠の娘がいるという
その師匠の娘とは、明たちを島に誘った青山冷!
彼女は篤に片思いでその死には取り乱したが、明たちに篤との研究成果を提供する
島に入ってから姿を現さなかった青山冷が、ここに登場!
てっきり吸血鬼の仲間と思われたが、なんと師匠の娘なのであった
後半には彼女と篤が迫った吸血鬼の歴史が明かされる
本来、吸血鬼たちは人間に感染することもなく、神主のように村人と共生する存在だったが、第二次大戦中に軍が島を占領して、事情は一変する
不老不死の吸血鬼から最強の兵士を作り上げる人体実験が始まった。凄惨な実験の果てに生み出されたのが、吸血鬼一族最後の生き残り、雅だったのだ
突然変異のきっかけが、同族の血を混ぜるというのがアレだが、人間の物差しで測っていけないということで
*師匠の娘と聞いて、加藤たちが「無茶苦茶つよいんじゃないか!」と喜ぶ場面には笑った。想像図がリボンをした師匠で……(爆
第13巻。明たちは、雅を倒す鍵となるワクチンを求めて、陸軍の研究所跡を目指す。冷は篤すら断念した魔境であることから、ケンや加藤たちをことさら辛く当たって奮起を促す
しかし、ケンは自分たちを島に連れてきたことに非難。罪の意識に苛まれた冷は、ひとりで五十嵐部隊の研究所跡へ向かう
かろうじて、追いついた明は、お色気シーンをまじえて、冷から吸血鬼の手先となっていた経緯を聞く
冷が吸血鬼の手先となって、彼岸島への勧誘係になっていたのは、師匠の作戦だった
雅が外から家畜となる人間をさらうべく、吸血鬼でない手下を作るため女狩りをしていると知った師匠は、自らの娘をわざと送り込んだのだ
篤に片思いだった彼女は、異郷で過ごす励みにと免許証をもらい、追い詰められた末にそれをあてにして、島を救う戦士として明を連れてこようとしたのである
必ずしも勧誘係になる保証はないわけだが、恐ろしい偶然(!)で、明へとたどり着いたのだ
後半では、元炭鉱にある研究所跡で、吸血鬼や体中に目の生えた邪鬼との死闘!
ラストに登場した軍医・五十嵐は、はぐれた明とユキを救うのか、なんだかんだ目が離せない
前巻 『彼岸島』 第10巻・第11巻