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『関東昭和軍』 第2巻 田中誠

巻末には、高野連とその上部組織である日本学生野球協会ビルの比較
高野連は自社ビル協会はビルの一室! この格差はどこから来るんでしょうねえ




第2巻は、細かく試合の模様も描かれるようになった
秋季大会春の選抜がかかる大事な公式戦であり、甲子園出場をかけた天国と地獄の戦い。関昭の尾宮監督も、猛練習で考える頭を失ったゾンビ一年生を抜擢する奇策に出る
ベテランの野球人であるはずの首脳陣たちが、ワンプレーで一喜一憂という、野球の醍醐味をエゴイズム丸出しで伝えてくれる
連載が2006年だけあって、尾宮が試合中で叫ぶ叱咤激励には、イラク戦争とそれを起こしたブッシュ大統領と支持した小泉首相を皮肉る社会風刺もあり、帯には朝日新聞でマンガ書評をしていた南信長による推薦文もある
しかし、風刺の対象は全方位的であり、「たしかに今の時代は仮に朝日の社長のせがれが何かをやっても何の問題にもならん」「NHKの職員と組織があいかわらず悪の限りを尽くしても、やつらの言い草は“テレビ持っているヤツは、皆だまって、我々守銭奴に金を払え!”」とどこにも毒ガスだ

2年のエースがへっぽこで、スポーツ万能の山楝蛇(やまかがし)が中継ぎエース、サインを覚えられない鶴嘴(つるはし)が直球のみで押し切るなど、無茶苦茶な選手起用で頑張った秋季大会だが、準決勝で強豪・東海道大菅生に敗れる
理事長やOBの怒りを買った尾宮監督は、コーチとともに首を吊ろうと山へ向かうが、ここで大逆転の事態が生まれる
決勝の東海道大菅生が同じ強豪の日学大三が、15-0で大勝したのだ
本来は地方大会で決勝へ行けば選抜当確なのだが、ここまで大敗すると準決勝で善戦した関東昭和の方が印象がよく見える
春の選抜には単純明快な基準がない。ここに政治工作が通じる余地がある
新聞社が高校野球のスポンサーとなるのは、新聞の販促になるからだ
そこで高校側は、高校の生徒父兄やOB会、町内会で新聞の拡販に協力し、その購買者リストを交渉に使う。また、選抜の選考員の視察に車代として、金品を握らせるなど、ありとあらゆる悪のインサイドワークが行われるというのだ
まっ、今現在がどうなっているかは、分かりませんが


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