まあ、矛盾が感動を生む作品なので
第10巻。吸血鬼に連れ去られた仲間を救出し、明と篤は兄弟で邪鬼(オニ)と対峙する。明の成長は著しく、口の中に入った篤を助けようと、邪鬼の顔ごとかち割ってみせる
しかし、邪鬼はいまだ死なず! 操っていた邪鬼使いとともに、明たちを追撃するのだった
新たなる敵、“邪鬼使い”が登場!
雅から邪鬼を操る術を学んでおり、明たちを追い込んだ場面では、不思議な術でも使うようなフリをするが、実は邪鬼の舌を利用したものに過ぎないという食わせ者だ
谷の両側を落石で防ぐという知恵者だが、師匠が崩れた巨石を投げ返す怪力(!)に驚き、雅との約束を守れず主人を土下座で迎えることに
そして、吸血鬼の軍勢を連れた雅へ、明はポンから託された拳銃で狙撃する。ここから、いきなりラスボスとの決戦へ!?
第11巻。吸血鬼の矢の雨が降り注ぐなか、明と雅の一騎打ち!
雅は驚異的な再生能力を見せつけ、動揺する明の首筋を噛んでしまう
そのピンチに負傷している兄・篤が動く。二刀流で無謀とも思える戦いを挑み、明を救う隙をうかがう
捨て身の行動を見抜いた雅は、明を吸血鬼にしようと自らの血を注ごうとするが……
雅の再生能力は異常!!!
篤に首を切られた際は時間がかかったのに、前巻の登場時には、腹にはめた顔を体内を通して首に戻して見せ(爆)、今回は切り落とされた腕をその一瞬後につなぎ直す。まさに右肩上がりの再生能力なのだ
そして、雅の狙いは、明とみせかけて篤! 自らの右腕となる吸血鬼に仕立て上げようと、自らの鮮血を全身に浴びせる
吸血鬼になるまで、残り10分となった篤の戦いぶりは鬼神のごとしで、作画も神がかっている
前巻を読んでから、けっこう間があったけど、すんなり入れた
雅の再生能力が理不尽に上がったり、敵の前で作戦を大声で話したり、いくらなんでもというシーンは多いのだけど、それすら勢いとテンションを生み出す燃料として許される
しかし、まさかここで篤が吸血鬼側に回ってしまうなんて……
アドリブの多そうな作品だが、おそらくこれだけは最初から予定されていたのではなかろうか。まさか、49巻(続編こみ89巻!)続くとは思わないだろうし、ここで折り返しという想定だろうか
不出来の弟を優秀な兄が認めた瞬間の悲劇、これをどう乗りこえるか。目が離せないところであります
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