第4巻は、帰還したナマリたちと、妹ファリンを飲み込んだレッドドラゴンとの死闘に入る
正直、もうドラゴンとの戦いになるとは思っていなかった。なにしろ、妹の救出こそがライオスが迷宮に潜る目的なのだ。ま~だ、4巻なのである
この巻では、純粋な料理ネタが少なく、地形を利用してのドラゴンとの対決に4話分もさかれている
ライオスたちにドラゴンと戦った経験はあるものの、今はファリンにナマリ、シュローが抜けて、センシが代わりに入った4人パーティと戦力が足りない
ドラゴンの弱点を貫ける武器も、ライオスの“ケン助”しかない、危機的な状況だが、それをアダマントの鍋、狭い地下都市への誘い込みと、知恵を工夫で対抗する
そして、そのすべてが実らないという辛い展開を、それぞれがアドリブと根性で補うという。特にスペシャルの力もなく、等身大ヒーローたちが巨大な敵を倒すという、TRPGの王道を行くドラマがたまらない
もはや、料理漫画といえないくらいの充実度だ
死んでも蘇ることのできる迷宮とはいえ、後半ではその苦労が描かれる
ずいぶん前にドラゴンの胃袋に入ったファリンの蘇生には、場所を離し時間をかけるわけには行かない
そこで、マルシルは禁忌である古代魔法を使うのだが、それには生命力を引き出す大量の肉(この場合はドラゴンの肉)と、ファリンの骨格をなるべく正確に整える必要がある
なので、一緒にドラゴンが食べたワーグ(魔狼)の骨を、丁寧に仕分けなければならない。犬の骨の特徴についても細かく触れているので、作者はそんなところまで調べているのだ
血は争えないのか、ファリンはライオスたちがモンスターを食してきたことを驚かない
そんな、ファリンとの再会をよそに、外では不気味なエルフが姿を現す。これが……
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