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『彼岸島』 第2巻・第3巻 松本光司

ついに島へ




第2巻。兄・篤の免許書を持っていた謎の女について来た男は、吸血鬼だった!
祭りのなかを逃げる中、ケンちゃんは吸血鬼に噛まれてしまうが、相手の血が入ってなかったのでセーフ(!)。血の匂いで誘い出して、脳天をぶっ潰すのだった
謎の女は青山冷と名乗り、村を吸血鬼たちに乗っ取られたという。警察を信用できないという彼女は、明たちに吸血鬼退治を依頼してくるのだが……

衝撃の事実が発覚である。ケンちゃんは、明たちと同級生だった(笑)
髭をはやして20代後半な風貌で、永遠のミュージシャン志望てな人物に思えたのだが、普通に現役のヤンキーだったのだ
リアルで老けた高校生がありえると分かっていても、漫画だと違和感を覚えるのだから不思議なもんだ
アクションは相変わらず、その場のノリで進む。川辺にいた吸血鬼の止めを刺すのに、車でガードレールを突破して崖下にドスン! この前見た、『ブルース・ブラザーズ』のごとしで、家の車を壊して大丈夫なのだろうか
吸血鬼は意外に目が悪いらしく、夜は目が効かず、血の匂いで獲物を判別する。平時は普通の人間と同じ姿で、髪も目も黒く、変身すると白髪で目が赤くなる
ケンちゃんは青山冷の誘いに乗って、卒業旅行として多くの同級生をつのる。向かう先は一年中、彼岸花が咲く彼岸島




第3巻。いざ、彼岸島に渡ろうとしたところ、船は海上で足止めされてしまう。明たちの目論見は村の吸血鬼にはバレており、話に聞いていた二人どころか、大勢の吸血鬼に襲われてしまう
多勢に無勢で、冷だけが逃げおせ、明たちは捕まる他ない
連れて行かれた吸血鬼の村では、捕獲した人間を一種の血液袋と見なしており、血を出し尽くすまで生かされるのだった

仕掛けようとする側が仕掛けられるという、意表をつく展開である。噛まれて血を吸われると、体中の水分が排泄される説明が襲撃のさなかに淡々となされ(良くそんな暇あるなあ)、明たちが次々と失禁する様は、壮観ですらある(笑)
牢屋に入ってからは、脱出する機会がなく、誰を生贄に差し出すか揉める始末で、ここら辺りはカイジの影響も感じた。吸血鬼の台詞回しも利根川くさいのだ
アクションはやはり、勢い。ケンちゃんの作戦でできた隙に、明はノコギリで吸血鬼の頭をかち割っていく。頭蓋骨がノコギリの一振りで割れるかなど、もはや愚問か
ラストに出てくるお兄ちゃんの丸太は、説得力あるんだけど(笑)


1巻目でどうなることか思ったが、3巻目にパニック・ホラー味がドッと出てきた
吸血鬼に吸われての壮大な失禁、裸で座らされる女子のエロス、内蔵串刺しと死体ごろごろのグロ描写、とこの手のジャンルに必要な、セックス&バイオレンスの迫力を備えているのだ
永井豪作品の如しで、引き込まれてしまった


次巻 『彼岸島』 第4巻・第5巻
前巻 『彼岸島』 第1巻


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