fc2ブログ

『ポートレイト・イン・ジャズ』 村上春樹 和田誠

YOUTUBEで聞ける、素晴らしい世界



和田誠のポートレイトに村上春樹がそのミュージシャンへの想いを込めたジャズ・エッセイ

村上春樹は学生の頃からジャズに傾倒し、専業の作家になる前はジャズ喫茶を営んでいたほどだが、あまり身近過ぎて書くのに躊躇があったらしい
しかし、和田誠(『麻雀放浪記』の映画監督までしたマルチなイラストレーター)の人物画を見て、切り口を見出したそうだ
それぞれの人物、楽曲への愛着からか、小説では見られない情緒たっぷりな詩的な文章が流れる。読んでいるこちらが気恥ずかしくなるほどの愛が表明されているのだ
もはや読者の目など気にならない、僕とジャズの偉人だけの世界、空気がギュッと詰まっている(たまに「僕ら」となっていて、とまどってしまうが)
ジャズの真髄を、人間の負の側面(=狂気、自己矛盾、悪意、妄執、自滅)として、前半は麻薬で早死するタイプが多く紹介されるが、別に主義者であるわけでもなく、後半には明るいジャズを「もし、ここにあるものがジャズという音楽の与えてくれる喜びのひとつじゃないとしたら、僕はジャズなんで聴かなくてもいいやとさえ思う」(p232)と、これはこれと楽しんでいる

とりあえず、取り上げられている人のリストをば

チェット・ベイカー (トランペット&ヴォーカル)
ベニー・グッドマン (クラリネット)
チャーリー・パーカー (アルトサックス、「モダン・ジャズ=ビパップ」の父)
ファッツ・ウォーラー (ピアノ、オルガン、ヴォーカル)
アート・ブレイキー (ドラム)
スタン・ゲッツ (テナーサックス)
ビリー・ホリディ (ヴォーカル)
キャブ・キャロウェイ (ヴォーカル)
チャールズ・ミンガス (ベース、ピアノ)
ジャック・ティーガーデン (トロンボーン、ヴォーカル)
ビル・エヴァンズ (ピアノ。ギル・エヴァンズとは別人)
ビックス・バイダーベック (コルネット、ヴォーカル)
ジュリアン・キャノンボール・アダレイ (アルトサックス、ソプラノサックス)
デューク・エリントン (ピアノ)
エラ・フィッツジェラルド (ヴォーカル)
マイルズ・デイヴィス (トランペット)
チャーリー・クリスチャン (エレクトリック・ギター)
エリック・ドルフィー (アルトサックス、バスクラリネット、フルート)
カウント・ベイシー (ピアノ)
ジェリー・マリガン (バリトンサックス、ピアノ)
ナット・キング・コール (ピアノ、ヴォーカル)
ディジー・ガレスピー (トランペット)
デクスター・ゴードン (テナーサックス)
ルイ・アームストロング (トランペット、ヴォーカル)
セロニアス・モンク (ピアノ)
レスター・ヤング (サックス、クラリネット)
ソニー・ロリンズ (サックス)
ホレス・シルヴァー (ピアノ)
アニタ・オデイ (ヴォーカル)
モダン・ジャズ・カルテット (バンド。『笑っていいとも!』にも出演。小説『騎士団長殺し』で主人公が曲をかける)
テディ・ウィルソン (ピアノ)
グレン・ミラー (トロンボーン)
ウェス・モンゴメリ (ギター)
クリフォード・ブラウン (トランペット)
レイ・ブラウン (ベース)
メル・トーメ (ヴォーカル)
シェリー・マン (ドラム)
ジューン・クリスティ (ヴォーカル)
ジャンゴ・ラインハルト (ギター、バンジョー)
オスカー・ピーターソン (ピアノ)
オーネット・コールマン (アルトサックス、トランペット、ヴァイオリン。フリージャズの先駆者)
リー・モーガン (トランペット)
ジミー・ラッシング (ヴォーカル、ピアノ)
ボビー・ティモンズ (ピアノ)
ジーン・クルーパ (ドラム)
ハービー・ハンコック (ピアノ、キーボード)
ライオネル・ハンプトン (ヴァイブの第一人者、ドラム、ピアノ、ヴォーカル)
ハービー・マン (フルート、テナーサックス、クラリネット)
ホーギー・カーマイケル (ピアノ、ヴォーカル)
トニー・ベネット (ヴォーカル)
エディ・コンドン (ギター、バンジョー)
ジャッキー&ロイ (夫婦デュオ)

<文庫版のボーナストラック>
アート・ペッパー (サックス、クラリネット)
フランク・シナトラ (ヴォーカル)
ギル・エヴァンズ (ピアノ。ユダヤ系カナダ人で、ビル・エヴァンズとは別人)


羅列していくと、総勢55名!!
もとが単行本2冊を文庫本1つにまとめたものなので、幅こそ分厚いのだが、文字は大きく行数は詰まっていないので、スラスラと読める
管理人でも知っているコルトレーンが入っていないけど、それは和田誠による人選のせい(!)らしい。有名人だからと後回しにしたら、抜けてしまったのだろうか。村上春樹自体は、代わりにジャック・ティーガーデンが入っているからヨシだそうだ
定番を少々と、『Fallout』シリーズで知っているぐらいの管理人には、いい入門書になりそうだ


関連記事 『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』




コメント

コメントの投稿

非公開コメント


カテゴリ
SF (28)
RSSリンクの表示
リンク
ブログランキング
FC2 Blog Ranking
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログへ
検索フォーム
タグランキング
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。