『とびきり愉快なイギリス史』 ジョン・ファーマン

MTGアリーナしながら読めた


とびきり愉快なイギリス史 (ちくま文庫)
ジョン ファーマン
筑摩書房
売り上げランキング: 657,419

本場のイラストレーターが書き下ろした、笑いたっぷりのイギリス史

積み読解消のために手に取ったら、意外に面白かった
著者は人気のイラストレーターであり、歴史は学生時代に落第生だったという素人。そんな学問としての歴史が苦手な人たち向けに、面白おかしく語り下ろしたのが、本書だ
そんなわけで厳密な考証には基づいていないし、ギャグに関してもイギリス人でないと分かりにくく、訳者がかなりフォローして読めるものにしたと思われる
ではどこに値打ちがあるかというと、ちゃんと歴史の転換点を捉えているところ。かなりシンプルな表現で流して読めてしまうのに、グレートブリテンの成り立ちから発展、変質が分かってしまうのである
原題は「THE VERY BLOODY HISTORY OF BRITAIN」。最初期に近代、工業化を迎えたのに、血なまぐさい歴史を背負っている

ヨーロッパ大陸からドーバー海峡を隔てているだけあって、古代から様々な民族が流入する。土着の“ブリトン人”に、ケルト人、カエサルの遠征に始まるローマ人、北欧からきた“バイキング”ノルマン人デーン人、と支配者はくるくる入れ替わる
国家としての原型を作り出したのは、フランス北部に領地を持っていた“征服王”ノルマンディー公ウィリアム。奪った土地をノルマン人貴族を封じ、さらに貴族はノルマン人騎士に貸し、現地人(ケルト人、サクソン人)の農奴がその土地を耕す封建制度を確立した。これが11世紀で、日本でいう鎌倉時代より1世紀前
フランスのアンジュー家を継承したヘンリー2世の代で、国王を中心とした行政組織が整えられ、裁判官と陪審制の司法体制が誕生する(裁判のスタイルは神明裁判なわけだが……)
リチャード“獅子心王”を継いだジョン王の代に、王権を制限するマグナ・カルタが成立。憲法の草分けとも言われるが、実際には国王たちの暴走は続く!
プロテスタント、カソリック、イギリス国教会と宗教問題が絡んで、幾度となく血を吹くのであった

クロムウェルの清教徒革命に比して、1688年のオレンジ公ウィリアムの即位は「無血革命」「名誉革命と称賛されるが、それは結果論。1万4千の軍団ともに上陸しており、ジェイムズ2世の対応次第では内戦となっていた
1707年にスコットランドとの連合協定が結ばれ国旗はユニオンジャックに、南海バブル事件(1720年)の収拾に初めて「内閣」が組織された
実際に国王が「象徴君主」となり議会政治が成立したのは、アメリカ独立戦争で新大陸東部を失ってからで、下院の多数政党が首相を輩出することとなった(1782年)。ここからようやく、近代的な議会政治の歴史が始まる
ちなみに政治家に歳費が支払われるのは、世界大戦直前の1911年。それまでは貴族か実業家といった資産家にしかつけなかった
本書はグレートブリテンの歴史=イングランドの歴史というオーソドックスなスタイルで、独自の伝統をもつスコットランド、アイルランドは添え物状態。アジアに関しては(アヘン戦争すら)あまり触れられず、日本は第二次大戦で負けたことにしか出てこなかった。あくまでイギリス周辺の歴史なので、より幅広い視点、あるいは細かいところは他の本をあたるべきだろう
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