
Gレコ劇場版の京都での公開は、イオンシネマ京都桂川のみ。JR東海道線の桂川駅とつながったイオンモール桂川にあり、3階の奥にその映画場はある
上映時間の1時間前にチケットを購入すると、1日2度しか上映がないせいか、席が「残少」の表示が。入場のときには、めでたく「完売」となっていた
客層はマニアばかりかと思いきや、親子連れもある程度見かけた。親から子へガンダムというジャンルは、受け継がれているのだろうか
(画像はアマゾンアフィリエイトです)
さて、あらすじは富野監督が宣言していた通り、テレビ版のままである。アイーダが海賊としてキャピタルタワーにやってきて返り討ちに遭い囚われ、それを奪還に来た恋人のカーヒルは、G-セルフに乗った主人公ベルリに殺されてしまう
アイーダはキャピタルで軍隊を組織するクンパ・ルシータ大佐の謀略で、G-セルフに乗ってベルリたちと脱出。それを口実に、新しい軍隊キャピタル・アーミーが動き出し、その一員にベルリの先輩だったルイン・リーがマスクをかぶって加わるといった次第だ
時間はだいたい1時間30分で、内容的にはテレビ版の5話まで。全五部作予定なので、つまりほとんどのエピソードは削られていないはずだ
もっとも管理人の記憶力はかなり怪しいので、テレビ版との比較はしづらいのだが(苦笑)
ともあれ記憶が怪しいと断った上での、劇場版の第一印象は人間と人間のドラマに重きが置かれているということだ
複雑な設定を限られた尺に消化するため、ジェットコースターのように流れたテレビ版に比べると、キャラクターが今どういった感情を抱いているのか、にまず焦点があてられていて、設定の理解はなんとなくでいいという断念が感じられた
笑ってしまったのは、カーヒルが襲撃に来た際にベルリがアイーダに会おうと囚われた塔へ向かう場面。ベルリは縦になったベッドにしがみつこいた彼女を助けようとするのだが、嫉妬したノレドはアイーダの尻にパチンコを当てて、ずり落としてしまう(笑)
テレビ版との細かい違いはともかく、ゆったりとこうした活劇、寸劇が楽しめた。ロボット物でなくとも思えるぐらいなのだ
ベルリがアメリアの海賊に連れ込まれて以降は、アイーダがカーヒルの死をどう乗り越えるかにドラマのテーマは移る。彼女は総司令の娘、“姫”として責務を求められ、裏では涙を流しながら活躍したベルリに礼を言う
共和制とおぼしきアメリアだが、汚れ仕事をしている海賊部隊に司令の娘がいることで、「自分たちが司令部に認められている」とモチベーションを保てている
彼の死をベルリのせいと甘えるのではなく、自分の未熟さと受け止めてリーダーとして目覚めていくきっかけとなる場面であり、劇場版ではよりその辛さが感じられた
その一方で、説明的な台詞をキレ味よく放つ富野節は健在で、Gレコの世界観についてもより理解が深まった
アメリアがゴンドワン(欧州)と10年も大陸間戦争をしているのは、キャピタル・タワーを持つキャピタル・テリトリィが資源を独占管理しているからとアイーダは言う。ある程度文明が発達してエネルギー資源が必要になったかにも関わらず、管理されているから限られた資源の争奪戦をせざる得ないらしい
地球圏はその荒廃から環境を回復させるために、技術の進歩をとめたままにしていた。そのために広められたのがスコード教の教えであり、キャピタル・タワーは宇宙からフォトン・バッテリーを運ぶ軌道エレベーターとして神聖視されていた
アメリア側からするとそれは不当な支配であり、大陸間戦争の終結、“宇宙からの脅威”に対抗するためにも、タワーの占領が不可欠と考えているのだ
ただ第一部をみたところ、外目にはアメリアの海賊が一方的に襲ってきたとしか見えない。それを利用したキャピタル・アーミーの台頭にベルリは疑問を感じるものの、まだ判断はつきかねているといった状況だ
スコード教を素直に信じ、トワサンガをフォトン・バッテリーをくれる聖地と考えるベルリが、世界の現実を知ってどうするのか、キャピタル・ガード時代の教官、デレンセンとの関係はどうなるかが、第二部の見所となるだろう
ただひとつ、苦言を呈したくなったのは、オープニング、エンドロール、次回予告がいまいちなところ。テレビ版のときからオープニングは本編のつぎはぎと言われていたし、エンドロールはテレビのそれを中途半端に出てきて暗転したまま流れる箇所もあった。やはり予算は降りていないのだろうか
次回予告の映像も何に注目していいか、よくわからない(苦笑)。2月21日と予定が組まれたのは嬉しいけれど、主題歌がドリカム(予定)にとどまっていて、製作はともかくその周囲の環境に疑念を抱かざる得ないドタバタである
おっと、サブタイトルの「行け!コア・ファイター」だが、確かに山場に飛んで軽く戦闘していた(笑)。誰がどういう意図でこうつけたのか
まあ、大事なのは本編である。これは確かに面白いぞ!!
次回 【映画】『Gのレコンギスタ Ⅱ ベルリ激進』
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